2004 Fiscal Year Annual Research Report
アンギオポエチン-1遺伝子・骨髄幹細胞を用いた心筋梗塞治療の実用化
Project/Area Number |
15590761
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 克礼 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80332914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 雅之 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60264537)
濱田 洋文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00189614)
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Keywords | 遺伝子治療 / 心筋梗塞 / 虚血性心疾患 / ウイルスベクター / Angiopoietin-1 |
Research Abstract |
平成16年度は昨年度有効性が確認された心血管系への遺伝子導入法であるCAGプロモータープラスミドを用い心筋梗塞治療に対する各種Angiopoietin関連遺伝子(ARP : Angiopoietin-1,2およびAngiopoietin related proteinであるAngptl4遺伝子)の治療効果を検討した。左冠状動脈前下行枝結紮によりラット心筋梗塞(AMI)モデルを作製しAngiopoietin関連遺伝子発現プラスミドを心筋内投与しその効果を検討した。Angiopoietin-2(Ang2)は強い血管新生作用を有することがin vitroで示されているがラットAMIモデルでは梗塞巣・心機能の改善効果はなかった。またPPARシグナルが心筋梗塞の改善に寄与するとの報告があり、その下流に経路のひとつと推定されているARPのひとつであるAngptl4遺伝子直接発現による心筋梗塞への影響を検討した。その結果、Angptl4遺伝子発現により梗塞厚の増加・毛細血管数増加などの効果を認めた。しかしAngiopoietin-1(Ang1)遺伝子の効果はAngptl4と比べてもより強力でありARPの中でAng1遺伝子がAMI治療に最も適していることが確認された。さらに昨年度、センダイウイルスベクター(SeVV)が心筋梗塞治療用ベクターとして有用であることを報告して来た。Ang1発現センダイウイルスベクター(SeV/Ang1)によるAMI治療効果を梗塞4週後検討したところリモデリング抑制、梗塞巣縮小、心機能改善など極めて良好な結果が得られた。さらにSeV/Ang1によるAMI急性期での治療効果を検討したところCPKの有意な減少、毛細血管減少の抑制など極めて早期に梗塞に対する効果が認められた。近年、遺伝子治療に加え幹細胞による心筋梗塞治療の可能性が報告されているがhedgehog, Wnt類などの幹細胞増幅効果を検討したところ、特にIndian hedgehog(IHH)が幹細胞増幅に有効だあることが確認されAngiopoietin遺伝子のみならずIHH遺伝子による心筋梗塞治療の可能性が示唆された。 以上、Ang1遺伝子治療が慢性期のみならず急性期心筋梗塞治療に有効であることが確認された。またIHH遺伝子があらたな心筋梗塞治療遺伝子候補として示唆された。
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Research Products
(6 results)