2003 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロールはアルドステロンの増加を介して心機能を増悪させる
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15590772
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
望月 正武 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20130205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 禎一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40297429)
吉田 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30333529)
池脇 克則 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40287199)
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Keywords | コレステロール / 心肥大 / 心筋梗塞 / アルドステロン / 腎性高血圧ラット / エプレレノン / 心筋線維化 |
Research Abstract |
目的 アルドステロンはコレステロールから合成されるステロイドホルモンである。近年の研究よりレニン・アンジオンシン・アルドステロン系とコレステロール代謝系とがリンクして制御されている可能性があり、心筋障害の発生・予防と関連する可能性が示唆されている。本年度はアルドステロンが心筋障害の発生とどのように関連するか検討を行った。 方法 体重150-200gのWistar系ラットに対して、左腎動脈を狭窄した腎性高血圧(RHT)ラットを作成した。また同ラットに対して左前下行枝を結紮し心筋梗塞(MI)ラットを作成した。それぞれにアルドステロン受容体拮抗薬(エプレレノン)を投与した。各群で経時的に血圧を測定し、術後4-5週に、心エコー図検査を実施し、心筋障害の程度について検討した。摘出した心臓より組織学的検索(マッソントリクロームならびにSyrius Red染色)を行い形態学的検討を行った。 結果 RHT群で収縮期血圧は202mmHgとコントロール群に比し有意に上昇した。エプレレノン投与により163mmHgと有意な降圧を認めた。心重量体重比はRHT群で4.2とコントロール群に比し有意な増加を認め、エプレレノン投与により3.5と有意な心肥大の抑制を認めた。心筋線維化率はRHT群で5.9とコントロール群に比し有意な増加を認め、エプレレノン投与により1.5と著明な改善を認めた。MI群では梗塞周囲の線維化の亢進、反対側の心室壁の肥厚を認めた。エプレレノン投与により線維化の亢進の若干の改善を認めたが有意な変化ではなかった。 考察 レニンアンジオテンシン系の亢進により心筋障害の発生するモデルであるRHTラットではアルドステロンの障害発生に対する関与、特に心筋線維化の発生との関連する事が認められた。次年度のさらにコレステロール代謝系との関与、あるいは遺伝的高脂血症モデルであるラビットを用いて検討を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Date T, Mochizuki S et al.: "Various routes of septal propagation in common atrial flutter"J Interv Card Electrophysiol. 9:3. 317-326 (2003)
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[Publications] Seki S, Mochizuki S et al.: "Modulation of intracellular Ca(2+) concentration by tedisamil, a class III antiarrhythmic agent, in isolated heart preparation"Life Sci. 73:14. 1805-1811 (2003)
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[Publications] Tada N, Yoshida H: "Diacylglycerol on lipid metabolism"Curr Opin Lipidol. 14:1. 29-33 (2003)
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[Publications] Seki S, Mochizuki S: "Impaired Ca2+ handling in perfused hypertrophic hearts from Dah1 salt-sensitive rats"Hypertens Res. 26:8. 643-643 (2003)
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[Publications] Ikewaki K et al.: "A novel two nucleotide deletion in the apolipoprotein A-1 Sninbashi, associated with high density lipoprotein deficiency, cornel opacities, planar xanthomas, and premature coronary artery disease"Atherosclerosis. 172. 39-45 (2004)