2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590782
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松岡 秀洋 久留米大学, 医学部, 助教授 (80248393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 靖敏 久留米大学, 医学部, 教授 (00225400)
梅井 秀和 久留米大学, 医学部, 助手 (90360289)
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Keywords | 動脈硬化 / 血管内皮 / 酸化ストレス / ミトコンドリア / 抗酸化物質 / 活性酸素種 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
ミトコンドリアは呼吸・エネルギー産生を通じて細胞の生存に必須の細胞内器官であるが、その課程で量の酸素を消費し電子伝達系からのelectron leakageが頻発することから、体内で最大の活性酸素種発生源となっている。ミトコンドリア遺伝子異常による先天性疾患・ミトコンドリア脳筋症MELASにおいては異常ミトコンドリアが血管に集積し脳血管障害を多発することが知られており、その機序の一つに酸化ストレスのが報告されている。そこでMELAS児において高解像度超音波診断装置にて評価した内皮を介した血流依存性血管拡張反応を評価したところ、所謂古典的危険因子を有しないにも関わらずMELAS児ではその反応が殆ど消失していた。これに対して抗酸化ビタミンCを急性投与したところ内皮依存性血管拡張反応はほぼ正常レベルまで回復した。この事実は、ヒトのミトコンドリア機能異常において過剰に活性酸素種が産生され血管内皮機能異常を通じて心血管病をもたらすことを示唆する。CoQ10は,ユビキノンと呼ばれる脂溶性のビタミンE様物質で,生体内では還元型のCoQH_2(ユビキノール)としてラジカル捕捉活性を示し,ミトコンドリア電子伝達系の抗酸化防御反応に重要な役割を果たしている。そこで、健常集団を対象に動脈硬化と血中CoQH_2濃度との関連について検討した。解析の結果、血中CoQH_2濃度は、メタボリックシンドロームの関連因子であるBMI, TG,血圧,インスリン抵抗性の指標HOMA-R,酸化ストレスマーカーのMDA-LDLと、予想に反して有意な正の相関を示した。また,CoQH_2は血管内皮機能の低下,総頸動脈プラークスコアの進展とともに上昇し、重回帰分析の結果,CoQH_2はこの両者の独立した規定因子であることが判明した。即ち、メタボリックシンドロームに伴う無症候性動脈硬化においてはCoQH 2の欠乏はみられず、むしろCoQH2が酸化ストレス存在下で代償的に上昇する可能性が示唆される。
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Research Products
(8 results)
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[Book] 血管不全フロンティア2004
Author(s)
松岡秀洋(分担執筆)
Total Pages
374
Publisher
メディカルレビュー社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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[Book] 心臓ナビゲーター2004
Author(s)
松岡秀洋(分担執筆)
Total Pages
362
Publisher
メディカルレビュー社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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