2004 Fiscal Year Annual Research Report
心房細動の発症に及ぼす炎症の役割とスタチンの抗炎症作用による心房細動の予防効果
Project/Area Number |
15590783
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
熊谷 浩一郎 福岡大学, 医学部, 講師 (10248510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬川 波子 福岡大学, 医学部, 助手 (80352251)
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
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Keywords | 心房細動 / 炎症 / スタチン |
Research Abstract |
炎症が心房細動持続のために必須であるリエントリーに必要な電気生理学的基質の形成に重要な役割を果たしていることが前回の実験で明らかとなったため、次に抗炎症作用薬が心房細動の予防に有効か否かを検討した。我々は無菌性心膜炎心房細動モデルで、抗炎症作用を持つスタチンが心房の電気生理学的・病理学的変化に及ぼす影響を検討した。ビーグル犬20頭を用いて、ランダムに対照群10頭とスタチン(Atorvastatin)投与群10頭の2群に分けた。Atorvastatinは10mg/kg/dayの経口投与を手術1週間前より開始し、試験終了まで継続投与した。まず、心房細動誘発率、心房細動の持続時間、心房有効不応期、心房内伝導速度を測定し、検査終了後、心膜炎を作成した。術前、術後2日目に血液・生化学検査及び電気生理学的検査を行った。対照群とAtorvastatin投与群の2群間でパラメータを比較した。術後2日後、スタチン群の方が、対照群より有意にCRPが低く(7.6±0.5 vs 11.7±1.3mg/dL, P<0.0001)、心房細動持続時間が短く(177±57 vs 534±189sec, P<0.0001)、不応期が長く(138±6 vs 130±6ms, P<0.01)、心房内伝導時間が短かった(46±3 vs 51±5ms, P<0.01)。このように、スタチンは心膜炎モデルにおいて、抗炎症作用により心房細動の持続を予防しうると考えられた。
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Research Products
(2 results)