2004 Fiscal Year Annual Research Report
本態性高血圧症における心臓交感神経終末機能異常の検討
Project/Area Number |
15590787
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
秋山 剛 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (70202554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 登自 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (20116122)
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Keywords | 高血圧ラット / 骨格筋交感神経終末 / マイクロダイアリシス法 / ノルエピネフリン分泌 / ノルエピネフリン再取り込み / ジハイドロキシフェニールグリコール |
Research Abstract |
前年度研究において、本態性高血圧のモデルとしてSHRラットを、対照としてWKYラットを用い、心臓交感神経終末におけるノルエピネフリン(NE)再取り込み機能にSHRとWKYで差はなく、NE分泌機能はむしろSHRで障害されていることを報告した。 平成16年度は、SHRの血中NEおよびDHPG上昇をもたらす交感神経として、抵抗血管を含む骨格筋交感神経に注目し、NE分泌機能、およびNE再取り込み機能をSHRとWKYで比較検討した。麻酔下にて左大腿部骨格筋にマイクロダイアリシスプローブを植え込み、一方よりリンゲル液を灌流し、他方より透析液を採取した。透析液NE、およびNEの神経終末内代謝物であるジハイドロキシフェニールグリコール(DHPG)濃度を骨格筋間質NEおよびDHPG濃度の指標として高速液体クロマトグラフィーにて測定した。 SHRとWKYで、心拍数に差はなかったが、平均血圧はSHRで有意に高かった。SHRの体重はWKYに比し低かったが、心重量はSHRで有意に重かった。血中NE濃度、および血中DHPG濃度はSHRで有意に高かった。 コントロール時における骨格筋間質NEはSHRで有意に高く、高カリウム局所投与による心筋間質NE応答もSHRで有意に高かった。これらの結果から、血中NE濃度の上昇に、SHRの骨格筋交感神経終末におけるNE分泌が貢献している可能性が考えられた。また、チラミンに対する心筋間質NE応答もSHRで有意に高く、骨格筋交感神経終末におけるNE分泌機能の亢進が示唆された。 コントロール時におけるDHPG濃度はSHRで有意に高かったが、DHPG/NEの比に差はなく、再取り込み阻害剤のデシピラミン局所投与に対する心筋間質NE上昇応答にも差はなく、SHRとWKYで骨格筋交感神経終末におけるNE再取り込み機能に差はないと考えられた。
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Research Products
(4 results)