2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590788
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
檜澤 伸之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00301896)
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Keywords | 気管支喘息 / アトピー / 症例対照研究 / 一塩基多型 / MIF |
Research Abstract |
本年度は、マクロファージ遊走阻止因子(Macrophage migration inhibitory factor, MIF)遺伝子のプロモーター領域の2箇所の機能的な多型が気管支喘息やアトピーの発症に及ぼす遺伝的な影響を症例対照研究により検討した。MIFはリンパ球やマクロファージから産生される多様な機能を有するサイトカインであるが、特に近年では自然免疫能における重要な役割が注目されている。MIF遺伝子は染色体22q11に位置するが、最近のゲノムワイドな遺伝子解析はこの領域にアトピーとの強い関連を報告している。MIF遺伝子のプロモーター領域には-173のG/C一塩基多型と-794の[CATT]からなる4塩基の繰り返し多型が報告されており、それぞれの多型はプロモーター活性に影響を与えることが既に他施設の検討から判明している。気管支喘息患者(277名)、健常人(307名)を対象として施行した症例対照研究にて、いずれの多型もアトピーと有意に相関した(遺伝子型解析、ハプロタイプ解析)。一方、気管支喘息との間には有意な関連は認められなかった。さらに両者の多型から構成されるハプロタイプのうち最頻の3つのタイプにつきルシフェラーゼアッセイを用いた機能解析にて、ハプロタイプの違いによる転写活性の違いが認められた。これらの結果から、特にプロモーター活性が低下する遺伝子型を有する人ではアトピー素因を有する人が高頻度に認められ、MIF遺伝子はアトピー感受性遺伝因子の一つと考えられた。これらの結果は2003年3月日本呼吸器学会総会シンポジウム、2003年5月アメリカ胸部疾患学会(ATS)、2003年8月国際アレルギーシンポジウムなどで学会発表すると同時に誌上発表した(N.Hizawa, E Yamaguchi, D Takahashi, J Nishihira, and M Nishimura. Functional Polymorphisms in the Promoter Region of Macrophage Migration Inhibitory Factor and Atopy Am J Respir Crit Care Med.2004.Feb 12 [Epub ahead of print])。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hizawa N, et al.: "Polymorphisms in the Promoter Region of Macrophage Migration Inhibitory Factor and Atopy"Am J Respir Crit Care Med.2004.Feb 12. (Epub ahead of print, Online publication). (2004)
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[Publications] S.Higa, N.Hizawa, et al.: "Association between interleukin-18 gene polymorphism 105A/C and asthma"Clinical and Experimental Allergy. 33(8). 1097-1102 (2003)