2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の浸潤・転移におけるテトラスパニンタンパクの役割の解明
Project/Area Number |
15590807
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川瀬 一郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10161324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 功 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60324761)
大崎 匡 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50324778)
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Keywords | 肺癌 / テトラスパニン / CD9 / インテグリン / 転移 / 細胞運動 / 細胞接着 |
Research Abstract |
昨年度われわれは、以下の結果を報告した。 (1)ほとんどの非小細胞肺癌培養株がCD9陽性なのに対し、小細胞肺癌ではCD9を発現している培養株はわずかであった。RT-PCR法により、小細胞肺癌でのCD9減少は主としてmRNAレベルで起こっていることが分かった。 (2)小細胞肺癌にCD9を導入したところ、親株に比べ細胞外基質タンパクであるフィブロネクチン上での細胞運動が低下した。 (3)CD9陰性の小細胞肺癌とCD9陽性の非小細胞肺癌培養株の細胞運動をフィブロネクチン上で比較したところ、前者において高運動性が認められた。 (4)免疫組織染色で小細胞肺癌組織におけるCD9の発現を検討したところ、全例で陰性であった。 一方、分化型の肺腺癌は抗CD9抗体によって強く染色された。 以上の結果から、小細胞肺癌では非小細胞肺癌に比べCD9が不活性化しており、このCD9減少が小細胞肺癌の高運動性に寄与している可能性が示された。 CD9が小細胞肺癌の細胞運動を抑制するメカニズムを解析するため、さらに実験を行った。小細胞肺癌培養株OS3-R5の細胞運動は、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤GM6001で抑制された。またRT-PCR法により、OS3-R5のCD9トランスフェクタントでは、親株に比べMMP-2とTIMP-2の産生が抑制されていることが分かった。ゲラチンザイモグラムによりトランスフェクタントでのMMP-2活性の低下が確認された。以上の結果から、CD9の発現減少はMMP-2の活性化により小細胞肺癌の運動性を高めると考えられた。
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Research Products
(2 results)