2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺上皮細胞傷害に対するSTAT3の細胞保護作用の解析
Project/Area Number |
15590808
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 光宏 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90359844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 融 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80346212)
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Keywords | 肺胞上皮細胞 / STAT3 / ブレオマイシン / 肺障害 / 肺線維症 / アポトーシス |
Research Abstract |
STAT3は当初IL-6の作用を細胞内に伝達する分子として同定されたが、近年細胞に対して保護作用を有することが報告されている。しかし肺胞上皮細胞に対して,STAT3が細胞保護作用を有するかどうか未だ報告されていない。STAT3が肺胞上皮細胞障害とそれに伴う線維化に関与するかどうか明確にするために今回の検討をおこなった。 方法:肺上皮特異的STAT3欠損マウスを用いて、ブレオマイシン肺線維症モデルを作製した。 結果:小容量(0.3mg/kg)のブレオを気管内投与後21日で、KOマウスは正常対照マウスより組織学上著明な線維化を認めた。また肺内コラーゲン量も有意な増加を認めた。高容量(0.6mg/kg)のブレオ投与では、KOマウスの生存が正常対照マウスより有意に減少した。0.3mg/kgのブレオ投与後24時間で、KOマウスにおいて正常対照マウスより有意にTUNEL陽性のアポトーシス細胞を多く認めた。TUNELとSP-C抗体による蛍光二重染色で、KOマウスに認められたTUNEL陽性細胞はII型肺胞上皮であると判明した。また0.3mg/kg投与後24時間で、肺より抽出したDNAを用いてladdering assayを行ったところ、ブレオマイシンで惹起されるDNA fragmentationが、KOマウスにおいて正常対照マウスより有意に多いことが確認された。 結論:肺上皮細胞内のSTAT3はブレオマイシンにより誘導される肺上皮細胞のアポトーシスに対して防御的に働くことが示された。またこの肺上皮障害に引き続く線維化に重要な役割を担うことが示唆された。
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Research Products
(4 results)