2004 Fiscal Year Annual Research Report
重症閉塞型睡眠時無呼吸症候群に対するnasal CPAP療法の長期効果
Project/Area Number |
15590830
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
赤柴 恒人 日本大学, 医学部, 助教授 (90142512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 修 日本大学, 医学部, 助手 (10297799)
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Keywords | 閉塞型睡眠時無呼吸症候群 / nasal CPAP / 日中の眠気 / quality of life / 高感度CRP / body mass index / セファロメトリー / 頭部顔面形態 |
Research Abstract |
1)nasal CPAP治療がOSAS患者の精神症状、quality of life(QOL)に及ぼす影響。 132例のOSAS患者に8週間のnasal CPAP治療を行い、治療後の日中の眠気、うつ状態、QOLについてのCPAPの効果を検討した。日中の眠気はEpworth Sleepiness Scale(ESS)で、うつ状態はSelf-rated Depression Scale(SDS)で、QOLはShort-Form36(SF-36)で評価した。治療後にESSは9.7±4.5から4,0±2.4へ、SDSは49.2±45.1へと有意に改善した。SF-36の8項目中5項目は治療後に有意に改善した。以上の結果からnasal CPAP治療は重症のOSAS患者の精神神経機能やQOLを改善する有効な治療法であることが確認された。 2)長期のnasal CPAP治療がOSAS患者の高感度CRP(hCRP)に及ぼす影響。 OSASと心循環障害との関連が喧伝されており、高感度CRP(hCRP)がその指標になると報告されている。そこで比較的多数例のOSAS患者を対象に、健常者との比較検討を行い、さらに長期のnasal CPAP治療がhCRPに及ぼす影響を検討した。96例のOSAS患者のhCRPは1924.5mg/dlと上昇していた。HCRPはbody mass index(BMI)と有意に相関したが、OSASの重症度とは相関しなかった。9か月間のCPAP治療後では、BMI、hCRPとも有意な変化を認めなかった。以上の結果より、hCRPは、OSASと直接的に関連するのではなく、肥満度と関連する可能性が示唆された。 3)理想的CPAP圧の予測式に関する検討。 適切なCPAP圧の設定は治療のコンプライアンスを高めるために重要な問題であるが、これまでの研究は欧米人が中心で肥満を含めた体格がもっとも関連するとされてきた。そこで、日本人を対象に理想CPAP圧を規定する因子を検討した。170例で検討した結果、BMI、AHI、平均SaO2に加え、顔面形態を表すセファロメトリーの指標が有意に関連することがわかった。この結果は、日本人では体格の他に頭部顔面形態の異常がOSASに関連することを間接的に示唆している。
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Research Products
(7 results)