2003 Fiscal Year Annual Research Report
肺線維芽細胞の機能発現およびシグナル伝達に対する好酸球遊離物質の影響に関する研究
Project/Area Number |
15590832
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
高藤 繁 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90179549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 武正 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10107625)
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Keywords | 好酸球 / 線維芽細胞 / 気管支喘息 / interleukin-4 / stem cell factor / interleukin-5 / エオタキシン |
Research Abstract |
喘息患者の気道に著明に浸潤する好酸球の線維芽細胞活性化への関与、そのメカニズムを明らかにすることは、喘息の病態の把握、治療戦略を立てる上できわめて重要である。そこで、本研究は、肺線維芽細胞機能分子発現に対する好酸球遊離物質の影響、さらに、線維芽細胞上の受容体とシグナル伝達を解析することを目的とする。本年度は活性化好酸球あるいは活性化好酸球培養上清を線維芽細胞に加え、線維芽細胞の機能分子発現に対する影響を検討した。すなわち、好酸球産生・遊離物質が線維芽細胞のSCFあるいはエオタキシン産生に影響するか否かを蛋白レベル、mRNAレベルで調べた。方法は、正常人末梢血より分離した好酸球をIL-5で刺激し、刺激後16時間の好酸球あるいは培養上清を回収した。ヒト胎児肺線維芽細胞HFL-1をプレート上で培養し、confluentになった時点で刺激好酸球あるいは刺激好酸球培養上清を加えて48時間培養した。そして上清に遊離されたSCFあるいはエオタキシンをELISAで測定した。 その結果は、IL-4はヒト肺線維芽細胞からのSCF産生を有意に増強した。一方、TNF-α、IFN-γ、IL-1αはSCF産生に対し抑制効果を示した。線維芽細胞をIL-4プラスIL-5活性化好酸球とともに培養すると、SCF産生はIL-4単独に比べ有意に増強した。RT-PCR法を用いてSCFmRNA発現を検討したところ、IL-5活性化好酸球はSCFmRNA発現増強を示した。また、好酸球をIL-5で16時間刺激した後の培養上清は、線維芽細胞のエオタキシン産生に対しIL-4存在下・非存在下いずれにおいても、その産生に影響しなかった。以上から、活性化好酸球はIL-4と相乗的に作用して線維芽細胞からのSCF産生を増強し、好酸球が慢性アレルギー性炎症において線維芽細胞活性化に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Miyakuni Y: "Effects of Th2 cytokines and eosinophils on stem cell factor production by lung fibroblasts"Allergol Int. 52. 13-19 (2003)
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[Publications] Takafuji S: "Matrix metalloproteinase-9 release from human leukocytes"J Invest Allergol Clin Immunol. 13. 50-55 (2003)