2003 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体硬化病変形成におけるミトコンドリア機能およびミトコンドリアDNA変異の関与
Project/Area Number |
15590841
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山縣 邦弘 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (90312850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 哲夫 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80111384)
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Keywords | 巣状糸球体硬化症 / ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / 酸化障害 / 欠失変異 / 糸球体上皮細胞 / ミトコンドリア蛋白 |
Research Abstract |
本年度は主にラット自然発症巣状糸球体硬化(FGS)病変モデルであるFawn Hooded Hypertensive ratの腎組織を用いて糸球体障害のcommon pathwayとしてのFGS病変の形成におけるミトコンドリア遺伝子異常ならびにミトコンドリア機能異常の関与を検討した. 本ラットは加齢によりFGS病変を伴う糸球体数の経時的増加と糸球体上皮細胞内のミトコンドリアの集族、膨化を認めた.ミトコンドリアDNAのin situ hybridizationとDNAの酸化障害マーカーである8-hydroxy-2'-deoxyguanosineの同時免疫染色を行い、糸球体上皮細胞内のミトコンドリアDNAが高頻度に8OHdG化していることを確認した.さらに定量的PCRによりミトコンドリアDNAの酸化障害の結果おこる4834bp欠失ミトコンドリアDNAが加齢により増加すること、in situ hybridizationでは糸球体上皮細胞内において4834bp欠失ミトコンドリアDNAの集積を認めた. ミトコンドリア外膜蛋白であるporin、ミトコンドリアDNAでコードされる蛋白(COX I)、各DNAでコードされるミトコンドリア内蛋白のCOX IVの同時染色を行い、糸球体構成細胞内でCOX IVに比し、COX Iが20週齢以降で有意に染色性が減弱し、Western blottingでは、COX 1蛋白の発現量の減少を認めた. 以上の結果からFGS病変の形成にはミトコンドリアそのものの障害と同時にミトコンドリアDNA障害の関与が示された.今後はヒト腎生検組織ならびに同じくFGS動物モデルであるピューロマイシン投与によるラット腎組織において詳細な経時的ミトコンドリアDNAならびにミトコンドリア機能異常の検討を行う予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Rossignol R, Gilkerson R, Aggeler R, Yamagata K, Remington SJ, Capaldi RA.: "Energy substrate modulates mitochondrial structure and oxidative capacity in cancer cells"Cancer Research. 64(3). 985-993 (2004)
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[Publications] Yamagata K, Takahashi H, Suzuki S, Mase K, Hagiwara M, Shimizu Y, Hirayama K, Kobayashi M, Narita M, Koyama A.: "Age distribution and yearly changes in the incidence of ESRD in Japan"American Journal of kidney disease. 43(3). 433-443 (2004)
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[Publications] Usui J, Kanemoto K, Tomari S, Shu Y, Yoh K, Mase K, Hirayama A, Hirayama K, Yamagata K, Nagase S, Kobayashi M, Nitta K, Horita S, Koyama A, Nagata M.: "Glomerular crescents predominantly express cadherin-catenin complex in pauci-immune-type crescentic glomerulonephritis"Histopathology. 43(2). 173-179 (2003)