2004 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体内皮細胞によるメサンギウム細胞機能制御の分子機構・ギャップ結合の役割
Project/Area Number |
15590845
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
姚 建 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (50303128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 正敬 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (90333062)
追手 巍 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60018744)
森岡 哲夫 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00210146)
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Keywords | メサンギウム細胞 / 内比細胞 / gap結合 / connexin43 / nitric oxide / PDGF / protein kinaseA |
Research Abstract |
生体内における細胞機能発現は、周囲に存在する他の細胞を含む細胞外環境により制御されている。腎糸球体では、血管内皮細胞・メサンギウム細胞・細胞外基質が互いに連結し、一種の閉鎖領域(endocapillary area)を形成しており、生理的状態ではこの領域における細胞-細胞間、細胞細胞外基質間の相互作用により糸球体血管機能が正常に保たれている。細胞間相互作用に必須の分子群中でギャップ結合蛋白(コネキシンと総称)が注目されてから久しい。本研究の目的は、私たちが最近明らかにしてきた培養ラット・メサンギウム細胞のギャップ結合蛋白、コネキシン43の存在と細胞間シグナル伝達機構、合胞体としての同期的収縮についての研究を進展させ、糸球体内、及び傍糸球体部位におけるギャップ結合蛋白の性状を細胞・分子レベルで明らかにすることにある。得られた成果は以下の通りである。 1)培養糸球体内皮細胞において、機能的なキャップ結合が内皮細胞に存在することをdye transfer assayを用いて示した。さらに、ギャップ結合蛋白であるCx43、Cx40が存在することを抗Cx40、Cx43抗体を用いた蛍光抗体法及びウエスタンブロッテイグ法を用いて明らかにした。2)糸球体内皮細胞とメサンギウム細胞間のコネキシンの局在を免疫電顕(immune gold法)を用いて明らかにした。3)血管内皮細胞由来の血管拡張性物質として代表的な一酸化窒素(NO)が、cGMP、cAMP経路を介して糸球体メサンギウム細胞コネキシン蛋白の発現を促進し、ギャップ結合を亢進させることを明らかにした(J Am Soc Nephrol 2005;16:58-67)。4)メサンギウム細胞の増殖・遊走因子であるPDGFをcAMPと一緒に作用させると、メサンギウム細胞コネキシン蛋白の発現を劇的に促進し、メサンギウム細胞の分化を誘導した。これにはPI3キナーゼを介したシグナル伝達系が働いている(2004年米国腎臓学会発表)。
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Research Products
(6 results)