2003 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症の発症機構におけるマクロファージの役割の解明と治療への応用-ICAM-1 KOマウスを用いた新しい治療ターゲット分子の探索-
Project/Area Number |
15590850
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
四方 賢一 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00243452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 淳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30294408)
槇野 博史 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50165685)
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病性腎症 / ICMA-1 / 炎症 / マイクロファージ / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
我々はこれまで、糖尿病性腎症の成因にマクロファージの浸潤をはじめとする炎症メカニズムが関与するのではないかと考えて研究を行ってきた。その結果、糖尿病性腎症患者の腎組織にICAM-1をはじめとする細胞接着分子の発現の亢進とマクロファージの浸潤が見られること、糖尿病発症後きわめて早期にICAM-1の発現が起こり、ICAM-1がマクロファージの浸潤を誘導していることを明らかにした。さらに、ICAM-1 KOマウスではwild typeマウスに比べて糖尿病発症後の腎組織におけるマクロファージの浸潤が極めて少なく、アルブミン尿、糸球体肥大、メサンギウム基質の増加も有意に抑制されることが明らかになった。次に、我々は糸球体硬化が進行した時期のモデルとして5/6腎摘出モデルを用いることを計画し予備的実験を行った。その結果、ICAM-1 KOマウスではwild typeマウスに比較して、5/6腎摘出後の糸球体肥大と硬化の進行が抑制されるという結果が得られた。そこで、本研究では、糖尿病性腎症の進展過程にマクロファージがどのように関与するかを解明するとともに、新しい治療ターゲット分子を探索するために、ICAM-1 KOマウスとwild typeマウスにストレプトゾトシン誘発糖尿病モデルと5/6腎摘出モデルを作成して、DNAマイクロアレイを用いて腎組織における遺伝子発現プロファイルを経時的に比較検討した。その結果、wild type糖尿病マウスでは、RANTES、MCP-2、osteopontinなどのケモカインや、炎症性サイトカインが増加しており、ICAM-1 KOマウスでは糖尿病発症後のこれらの炎症関連分子の発現が抑制されていることが明らかとなった。以上の結果より、糖尿病性腎症の進展過程に炎症メカニズムが関与することが強く示唆された。今後、これらの炎症関連分子の発現部位や発現時期を詳細に検討して、腎症の治療ターゲットを探索していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Okada S, Shikata. K et al.: "Intercellular adhesion molcule-1-deficient mice are resistant against renal injury after induction of diabetes"Diabetes. 52. 2586-2593 (2003)
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[Publications] Ogawa D, Shikata K et al.: "Cerebroside sulfotransferase deficiency ameliorates L-selectin-dependent monocyte infiltration in the kidney after ureteral obstruction"J Biol Chem. 16. 2085-2090 (2004)
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[Publications] Seida A et al.: "Serum bFGF levels are reduced in Japanese overweight men and restored by a 6-month exercise education"Int J Obes Relat Metab Disord. 27. 1325-1331 (2003)
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[Publications] Hiragushi K et al.: "The role of adrenomedullin and receptors in glomerular hyperfiltration in streptozotocin-induced diabetic rats"Kidney Int. 65. 540-550 (2004)