2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590857
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
宮田 幸雄 自治医科大学, 医学部, 講師 (00285777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 重明 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40190855)
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Keywords | Na / H交換輸送体 / アンジオテンシンII / 血管平滑筋細胞 |
Research Abstract |
NHEは細胞増殖・分化、動脈硬化、および臓器の線維化に関与することが知られている。これまでにAIIの急性投与によってNHE活性が亢進することが報告されているが、慢性投与によるNHEへの効果は十分に解析されていない。そこで、平成16年度はアンジオテンシンII(AII)慢性投与による血管平滑筋細胞(VSMC)のNa/H交換輸送体(NHE)活性の調節機序について検討した。AII(10^<-7>M)をVSMCに投与すると、3時間後からNHE活性の有意な増加がみられ、12時間後をピークに24時間後まで持続した。転写阻害薬のactinomycin D、蛋白合成阻害薬のcyclohheximide、ミネラロコルチコイド受容体(MR)拮抗薬のeplerenoneはいずれもAII投与24時間後のNHE活性亢進作用を抑制したが、3時間後のNHE活性亢進作用は影響しなかった。一方、グルココルチコイド受容体(GR)拮抗薬のRU38486は、AII投与3時間後のNHE活性亢進作用を抑制したが、24時間後のNHE活性亢進作用には不変であった。また、AII投与3時間および24時間後のNHE亢進作用はいずれもAII type1(AT_I)受容体拮抗薬であるOlmesaltan medoxomilによって抑制されたが、AII type 2受容体拮抗薬のPD123,319では不変であった。以上の結果より、1)AIIの慢性投与でNHE活性の亢進が起こる、2)AII投与3時間後のNHE活性亢進は、AT_I受容体とRU感受性経路を介しているのに対し、AII投与24時間後のNHE活性亢進は、AT_I受容体とeplerenone感受性(MR)経路を介している、ことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)