2004 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体血管でフリーラジカル抑制遺伝子の特異的発現による細胞浸潤の抑制
Project/Area Number |
15590865
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
山田 晴生 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70230472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
普天間 新生 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80173508)
西川 和裕 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (30301625)
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Keywords | superoxide dismutase / chemokine / mesangial cell / reactive oxygen species |
Research Abstract |
<自己抗体によるフリーラジカル産生をEC-SODが抑制する> 従来の研究から腎糸球体メサンギウム細胞がEC-SODを産生することを確認した。また、メサンギウム細胞においてはこのEC-SODの産生とケモカインの産生が負の相関を示すことを認め、局所における好中球、マクロファージの誘導、刺激因子であるケモカインとEC-SODの産生とは互いに負の制御因子の影響を受けていることが判明した。更に、自己抗体(抗基底膜抗体等)による腎炎惹起が活性酸素産生を誘導し、C-SODにより抑制されるかどうかを検討した。 <EC-SODに対する抗体による発現・制御の検討> 昨年度の検討からEIAによるEC-SODの定量とともに免疫組織化学・ウエスタンプロッティングに利用可能な抗体が得られた。更に興味深いことに、この抗体はEC-SODの活性中心で種を超えてアミノ酸配列が保存されている領域を認識していることが判明した。ラット・ヒトにおける自己抗体による腎炎が活性酸素の産生を増強するとともに、EC-SOD産生を抑制することを発見し、腎炎→活性酸素産生増強→EC-SOD産生抑制→腎炎の悪化について負のサイクルが存在していることが示唆された。 <メサンギウム細胞の分化とEC-SOD発現制御との関連> 次に、メサンギウム細胞の分化のマーカーとEC-SOD産生との関連を検討した。その結果、メサンギウム細胞の脱分化に伴い、産生が減弱することが判明した。このことは、腎炎等の免疫的な刺激がケモカイン類の産生を増強させ、それに伴い、EC-SODの産生が低下する。また、免疫複合体等の刺激はメサンギウム細胞の脱分化をもたらし、遊走細胞の障害性を増強する。 <EC-SODの過剰発現によるメサンギウム細胞機能の修飾> EC-SOD、グルタチオンペルオキシダーゼ等活性酸素代謝関連酵素をメサンギウム細胞に遺伝子導入して過剰発現した。免疫複合体、腎炎惹起物質で脱分化したメサンギウム細胞の機能を解析した。 この実験系ではその結果、活性酸素産生のマーカーの減少、メサンギウム細胞の脱分化抑制を認めた。 更に興味深いことに、EC-SODの遺伝子を発現させた細胞は腎炎惹起刺激のみならず、通常の状態にあっても、分化マーカーの維持した状態にあることが判明した。
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Research Products
(5 results)