2004 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素と一酸化窒素のクロストークからみた腹膜機能障害
Project/Area Number |
15590868
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
佐々木 環 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30187124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
堀家 英之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10289150)
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
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Keywords | 一酸化炭素窒素 / 活性酸素 / 鉄 / 4-HNE / 8OHdG / フェリチン / ヘムオキシゲナーゼ |
Research Abstract |
腹膜炎モデルにおいて腹膜透過・亢進や除水能低下に,サイトカインやプロスタグランジンだけでなく,血管拡張作用の強い一酸化窒素(Nitric Oxide : NO)の関与が推測されている。NOと活性酸素は相互に反応(クロストーク)し病態を形成する。本研究では,長期CAPD療法による腹膜機能低下(主に限外濾過障害)に,活性酸素とNOの相互関係が関与するとの仮説をたて検証した。 鉄代謝異常と酸化ストレス 鉄は毒性の強いHydroxyl radical生成反応の触媒として作用する。この作用はトランスフェリンやフェリチンとの結合により回避されている。今回,長期腹膜透析療法が鉄代謝へ影響し,酸化ストレスによる腹膜障害に関与を検討した。腹膜透析患者の腹膜生検組織(80例)を用いて,鉄沈着,フェリチン蛋白,ヘムオキシゲナーゼ(HO-1),脂質・核酸の酸化ストレスマーカー4-HNE修飾蛋白と80HdGの存在を組織化学的に検討した。また,クロルヘキシジン誘発腹膜障害ラットにおいても同様に検討を加えた。鉄は腹膜障害度と相関が無く,腹膜の血管と,細胞浸潤の見られる部位に沈着を認めた。血管内皮にはフェリチンとHO-1の染色が観察された。同様に,腹膜障害度に一致して酸化ストレスマーカーである4-HNE修飾蛋白と80HdGの染色も血管壁で観察された。ラット腹膜炎モデルにおいても,炎症細胞浸潤部位に鉄の存在を認めた。低pHでは遊離鉄が増加することが知られている。長期間の酸性透析液使用により細胞内の遊離鉄が増加し,炎症の持続により局所での鉄代謝異常を惹起し活性酸素を生成する機序が推測される。この鉄代謝異常により生成された活性酸素は,腹膜や腹膜血管における酸化ストレスの亢進,動脈硬化促進機序に関与し腹膜障害を形成すると寄与する。
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Research Products
(5 results)