2003 Fiscal Year Annual Research Report
GSK3βを介した神経原線維変化形成におけるプレセニリンの役割
Project/Area Number |
15590879
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
池田 将樹 群馬大学, 医学部, 助手 (50222899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東海林 幹夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60171021)
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Keywords | タウ / GSK3β |
Research Abstract |
GSK-3βとタウ蛋白発現や蓄積との関係を明らかにするため、第一に、ニューロンに特異的発現するmouse Thy-1プロモーターを有し、GSK-3β cDNAを組み込んだGSK-3β Tgマウスを作製した。脳組織における変化を免疫細胞化学的方法にて3カ月、6カ月、12カ月と経時的検討を行なった。活性型・抗GSK-3β(pY216)抗体では、マウス大脳の皮質と白質の神経細胞内にGSK-3βの免疫反応が認められ、大脳における広範なGSK-3βの発現を認めた。一方、同月齢でTgマウスと同系統である野生型FVBマウス脳では、GSK-3βの免疫陽性構造物はみられなかった。また不活性型・抗GSK3-β(pSer9)抗体では、どの月齢のTgマウスにも野生型FVBマウスにも反応は認められなかった。 第二に、mouse Thy-1プロモーターを上流に有し、tau(P301L)cDNA(4R)を組み込んだtau(P301L)TgマウスにGSK-3βマウスを交配したダブルTgマウス(GSK-3β(+)/tau(P301L)(+))を作製した。 これらのダブルTgマウス脳について、免疫細胞化学的検討とELISA法を用いたリン酸化タウの測定を行なった。ダブルTgマウス脳では、GSK-3βおよびタウが遺伝子レベルで確認され、免疫細胞化学的検討により、タウとGSK-3βの広範な部位での神経細胞内発現を認めた。ELISA法による検討では、GSK-3β(+)/tau(+)(P301L)ダブルTgマウス脳はタウ(P301L)単独Tg脳に比べ、リン酸化タウ(pSer199,PSer396)は8週、12週で有意に高値を示した。これらの検討は現在も進行中で、今後も継続する予定であり、神経病理学的変化とリン酸化タウ値の関係については今後の結果が期待される。これらのことから、GSK-3βはマウスを用いたin vivoにおいてリン酸化タウ(pSer199、pSer396)の増加を誘導し、NFT形成を促進している可能性がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ikarashi Y, Harigaya Y, Ikeda M: "Decreased level of brain acetylcholine and memory disturbance in APPsw mice."Neurobiology of Aging. 25・4. 483-90 (2004)
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[Publications] Matsubara E, Sekijima Y, Ikeda M: "Soluble Aβ homeostasis in AD and DS"Neurobiology of Aging. (印刷中). (2004)