2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの脳神経系アミロイドーシスにおける伝播現象の原因となる分子機構の解明
Project/Area Number |
15590883
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
徳田 隆彦 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80242692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 修一 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60135134)
樋口 京一 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20173156)
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Keywords | アミロイドーシス / 伝播 / トランスサイレチン / 家族性アミロイドポリニューロパチー / トランスジェニックマウス / アポAII |
Research Abstract |
ヒトの脳神経系アミロイドーシスの代表的疾患である家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)においてアミロイドーシスの伝播現象が存在するか否かを検討した。今年度は、FAPのトランスジェニックマウスモデルを用いて、FAP患者の剖検臓器から精製したトランスサイレチン(TTR)から成るアミロイド線維(ATTR)画分が、モデルマウスにおけるATTRの沈着をin vivoで促進するかどうかを検討した。 本来の5'上流領域6kbを含むヒト変異TTR遺伝子を運ぶFAPのトランスジェニックマウスモデルとTTRノックアウトマウスとの交配により作成されたFAPのモデルマウス株を用いて、8〜11カ月齢のこれらマウス5匹に、FAP患者の剖検時に得られた心筋組織から抽出・精製したATTR画分1mgを尾静脈から注入した。ATTR画分の抽出・精製は、86歳で死亡したVal30Met変異TTRを有するFAP患者の心筋組織からPrasらの水抽出法を樋口らが改変した方法を用いて行った。実験の対照群として、同月齢のモデルマウス5匹に蒸留水のみを同様に尾静脈から注入した。12カ月後にこれらのマウスを解剖して種々の臓器(甲状腺、食道、胃、腸、膵、脳、肺、肝、脾、腎、心、筋、皮膚)におけるアミロイドの沈着を調べた。この結果、ヒトATTR画分を投与したマウス5匹全てで種々の臓器(食道、胃、腸、肺、肝、腎、心)にアミロイドの沈着を認めたが、蒸留水を投与した5匹の対照マウスには認めなかった。しかし今回のモデルマウスでは、組織に沈着したアミロイド線維は抗TTR抗体による免疫染色には陰性で、マウスApoAII蛋白に対する抗体で陽性に染色された。従ってヒトのATTR線維は、FAPモデルマウスにおけるアミロイドーシスの発症を促進したが、発症が促進されたのはTTRアミロイドーシスではなくApoAIIアミロイドーシスであった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Severe protein losing enteropathy with intractable diarrhea due to systemic AA amyloidosis, successfully treated with corticosteroid and octreotide.2005
Author(s)
Fushimi T, Takahashi Y, Kashima Y, Fukushima K, Ishii W, Kaneko K, Yazaki M, Nakamura A, Tokuda T, Matsuda M, Furuya R, Ikeda S
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Journal Title
Amyloid : J Protein Folding Disord (in press)
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[Journal Article] Soluble AB homeostasis in AD and DS : impairment of anti-amyloidogenic protection by lipoproteins.2004
Author(s)
Matsubara E, Sekijima Y, Tokuda T, Urakami K, Amari M, Shizuka-Ikeda M, Tomidokoro Y, Ikeda M, Kawarabayashi T, Harigaya Y, Ikeda S, Murakami T, Abe K, Otomo E, Hirai S, Frangione B, Ghiso J, Shoji M
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Journal Title
Neurobiol Aging 25
Pages: 833-841