2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590886
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
錫村 明生 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (50196896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 哲也 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (70335008)
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Keywords | 多発性硬化症 / ミクログリア / サイトカイン |
Research Abstract |
中枢神経系のグリア細胞のひとつであるミクログリア、特にそのサブポピュレーションの機能を探り、その調節機構を制御することにより中枢神経系の病態の解明と治療法の開発をめざす目的で、以下の実験を行い新しい知見を得た. (1)ミクログリアの各サブポピュレーションおよびそれぞれの細胞株について、サイトカインや栄養因子の産生能、サイトカイン受容体の表現とそれらの調節機構を免疫学的、分子生物学的に検討する. ミクログリアには少なくともERMP-12陽性(タイプ2)と陰性(タイプ1)の2種があることが明らかになった。タイプ1は活発に炎症性サイトカインや一酸化窒素を産生するが,タイプ2はこれらを産生しないことが明らかになっており、これらに対応する細胞株を選定することができた. (2)種々の刺激下で活性化あるいは抑制される遺伝子群を検索し、サブポピュレーション間で比較検討する.サブトラクションやディファレンシアルディスプレイ法を用い、両者の差異をもたらす遺伝子を同定、分離する. タイプ1については活性化による炎症性因子がフォスフォジエステラーゼ阻害薬、PACAP、クルクミン等で抑制されることを見出した。当初抑制すると考えられていたインターフェロンベータはむしろこれらを増強した。サブトラクション法などについては次年度以降の課題に持ち越した. (3)ヘルパーT細胞の分化に対する2つのサブポピュレーションの作用の差異を免疫学的、分子生物学的に検討する. タイプ1ミクログリアがMOG-反応性T細胞をTh1に分化させることが明らかになり,この系をもちいて、種々の治療薬の評価を行った.インターフェロン,PACAP、クルクミンはTh1への分化を抑制し,多発性硬化症に対する有効性が推測された.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kawanokuchi J, Mizuno T, Kato H, Mitsuma N, Suzumura A: "Effects of interferon-β on microglial functions as inflammatory and antigen presenting cells in the central nervous system"Neuropharmacol.. (In press). (2004)
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[Publications] Mizuno T, Kurotani T, Komatsu Y, Kawanokuchi J, Kato H, Mitsuma N, Suzumura A: "Neuroprotective role of phosphodiesterase inhibitor ibudilast on neuronal cell death induced by activated microglia"Neuropharmacol.. (In press). (2004)
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[Publications] Suzumura A, Ito A, Mizuno T: "Phosphodiesterase inhibitors suppress IL-12 production with microglia and T helper 1 development"Multiple Scler. 9. 574-578 (2003)
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[Publications] Mizuno T, Kawanokuchi J, Numata K, Suzumura A: "Production and neuroprotective functions of fractalkine in the central nervous system"Brain Res.. 979. 65-70 (2003)
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[Publications] 錫村明生: "神経免疫学、黒川清、松澤佑次(編)、内科学教科書(第2版)"文光堂、東京. 1695-1699 (2003)