Research Abstract |
中脳由来神経幹細胞をすでに確立した方法で大量に培養し,凍結保存した. 各種増殖条件・分化条件においてRNAを回収しnestin, nurr-1,Pax, Wntなどの部位関連のマーカーシグナル,FGF-2,-8,-R3,shh等の増殖関連シグナル,およびドパミン神経のマーカーとしてTH, DAを解析した.同時に蛍光免疫染色によりnestin, MAP-2,TH, GABA, A2B5,vimentin, GFAPなどのマーカーを解析した.昨年度までに明らかにした分化条件(fibronectin, forskolin, dopamine, BDNF)に加え,レチノイン酸と神経保護物質としてD- β hydroxybutyrate (DBHB)の効果と影響を上記マーカーを用いて比較した. また,H15年度にプロテアソーム阻害がドパミン神経細胞の変性をきたす際にGAPDHの過剰発現が関与することを見出し報告したが,GAPDHの過剰発現がPDの病理学的マーカーであるLewy小体の形成に関与することを明らかにし(Eur J Neurosci 2005),またp62/A170/ZlPの転写活性の変化の関与を示した(Nakaso K, et al. Brain Res 2004).さらにDBHBの細胞に対する効果を検討するためドパミン系神経芽細胞腫であるSH-SY5Y細胞をレチノイン酸により分化誘導を行ったモデルを用いて検討した.DBHBは分化誘導中SH-SY5Y細胞のロテノン毒性モデルにおいてミトコンドリアを介して神経細胞保護をする機構を明らかにした(Imamura, Takeshima, Kashiwaya, et al. Socety for Neurosoience 2004,#1013.15.)これらの成果をふまえ次年度はTH-GFPの導入効率について検討し分化誘導法シグナルの制御を検討する予定である.
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