2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリグルタミン病の分子機構と分子シャペロンによる予防と治療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15590915
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
畑山 巧 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10094484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 伸行 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (60298685)
石原 慶一 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (80340446)
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Keywords | 分子シャペロン / ポリグルタミン病 / Hsp105 / アポトーシス / SBMA |
Research Abstract |
遺伝性神経変性疾患の発症機構を理解し予防や治療法を確立することを目的として、ポリグルタミン(polyQ)タンパク質によるアポトーシス経路の検討、および非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)のpolyQタンパク質の細胞毒性に対する効果を検討した。 polyQ鎖(CAGリピート数24:polyQ24;97:polyQ97)と緑色蛍光タンパク質の融合タンパク質をdoxycycline除去により発現する条件発現HeLa-tet細胞株を樹立した。これらの細胞株では、doxycycline除去後2日目からpolyQ24あるいはpolyQ97の発現が認められたが、polyQ24は細胞全体に分布したのに対しpolyQ97は凝集体の形成が認められた。このpolyQ97の凝集体形成と平行して核の凝縮を伴うアポトーシスの誘導が認められた。このpolyQ97によるアポトーシスの誘導機構を検討したところ、Baxのミトコンドリアへの移行とチトクロームcの遊離、及びCaspase-3の活性化が検出されたが、小胞体ストレス反応であるunfolded protein responseは認められなかった。以上の結果、polyQタンパク質によるアポトーシスの誘導はBaxを介したミトコンドリア経路で起こることを明らかにした。 さらに、我々は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)がストレスタンパク質(hsp)の発現・誘導能を示すことを明らかにした。我々は、hspの発現誘導によりpolyQタンパク質により誘導される細胞死が抑制されることを明らかにしているので、上記のpolyQ97の条件発現細胞系を用いて種々のNSAIDsのpolyQタンパク質の凝集およびアポトーシスに対する効果を検討し、hsp誘導能を持つNSAIDsがpolyQタンパク質の細胞毒性に対して細胞保護効果を示すことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)