2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症の細胞変性におけるNOS-JNK-Cdk5リンケージ
Project/Area Number |
15590917
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
伊東 秀文 関西医科大学, 医学部, 助教授 (20250061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 博文 関西医科大学, 医学部, 教授 (70250066)
西澤 幹雄 関西医科大学, 医学部, 講師 (40192687)
伊藤 誠二 関西医科大学, 医学部, 教授 (80201325)
中野 智 関西医科大学, 医学部, 講師 (30333206)
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Keywords | ALS / SOD1 / iNOS / GRP78 / ER stress / nucleocytoplasmic transport / SREBP-2 / β-catenin |
Research Abstract |
1.mSOD1 transgenic (Tg)マウスとiNOS knockout (KO)マウスの交配により作成したmSOD1 Tg/iNOS W/W, W/-の遺伝子型をもつマウスを臨床観察したところ、mSOD1 Tg/iNOS W/-マウスではmSOD1 Tg/iNOS W/Wマウスよりも病状の進行が急であった。それぞれの遺伝子型の発症前、発症早期、末期の凍結脊髄からmRNAを抽出し、RT-PCRの後、リアルタイムPCRを行ったところ、mSOD1 Tg/iNOS W/-マウスではmSOD1 Tg/iNOS W/Wマウスに比して、発症前においてiNOS のみならずnNOS, mSOD1, mouse SOD1の発現も抑制されていた。現時点でその意義は不明であり、今後さらに検討匹数を増やし、他の病期・他の因子についての検討を計画している。 2.mSOD1 Tgマウスに対する免疫組織化学によって我々は、GRP78とcalnexinの免疫反応産物が好酸性封入体に存在することを明らかにした。封入体内でのcalnexinの分布は不均一であり、封入体形成時にERが偶然取り込まれた可能性が考えられたが、GRP78の分布はSOD1とよく一致しており、これらが直接結合している可能性が考えられた。このことからmSOD1 TgマウスではGRP78の機能が障害され、ER stressによって細胞死を来している可能性を推察した。 3.mSOD1 Tgマウスにおける細胞質-核間輸送障害の関与を検討するため、我々はこのマウスの潅流固定脊髄標本において、histone H1、SREBP-2、β-cateninの局在を免疫組織化学的に検討した。その結果、いずれの蛋白もmSOD1 Tgマウスにおいて核の染色性が低下していた。この結果から我々は、mSOD1 Tgマウスにおいては核膜孔複合体に異常が生じ、細胞修復シグナルの伝達が障害されている可能性を推察した。
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Research Products
(6 results)