2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規転写因子Otx3による糖代謝調節の分子メカニズム
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15590929
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三木 隆司 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50302568)
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Keywords | Otx3 / 転写因子 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
平成16年度にはOtx3の分子生化学的特性の解明とOtx3ノックアウトマウス(Otx3-/-)の表現型解析を行った。(1)分子生化学的特性の解明:Otx3の機能を生化学的に解析し、Otx3がOtx2とヘテロダイマーを形成し転写活性を制御することが示された。Otx3の変異体を作製しレポーターアッセイやpull downアッセイを行い、Otx2との結合が低下した変異体ではOtx2に対する転写抑制機能が低下していることを明らかにした。マウス胎児を用いてOtx2とOtx3のin situ hybridizationを行ったところE10.5ではOtx2とOtx3はいずれも発生中の神経上皮に発現していた。これらの結果は、両者が相互作用を介して機能的していることを支持する結果であった。(2)Otx3-/-の表現型解析:Otx3-/-の表現型の解析を進める過程で、Otx3-/-が生後に著明な成長障害をきたし、特にC57BL/6の遺伝背景ではヌル欠損マウスは出生時に致死的となることが明らかになった。そこでICRへの交配を重ね遺伝背景を雑種としたところ、生存が可能なコロニーを樹立することに成功した。しかしながらOtx3-/-の雌はこの遺伝背景でもほとんど妊娠せず明らかなhypofertilityを示した。糖代謝について解析を行ったところ、随時血糖値は正常であるが、短期の絶食により明らかな低血糖を示すことが明らかになった。経口糖負荷試験ではインスリン分泌反応が野生型に比較し有意に低下しておりOtx3が膵内分泌機能において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(6 results)