2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトとモデル動物の対応染色体マップを駆使したI型糖尿病感受性遺伝子の解明
Project/Area Number |
15590937
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤澤 智巳 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 博司 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20221062)
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Keywords | 1型糖尿病 / 遺伝子 / 疾患感受性 / モデル動物 |
Research Abstract |
1型糖尿病の疾患感受性は複数の遺伝因子で規定されているが、中でも主要組織適合抗原(MHC)領域の遺伝因子が感受性に最も強く影響することはヒトとモデル動物NODマウス共通である。NODマウスと同一のクラスII MHCを有するCTSマウスのMHC(H-2)をNODマウスの遺伝背景に導入したコンジェニックマウスNOD.CTS-H-2では糖尿病発症率が低下することより、クラスII MHC(Idd1)の外側の領域にIdd1とは別の感受性遺伝子Idd16が存在することを見出してきた。凍結胚の胚移植による本系統の立ち上げに引き続き、以下の検討を行った。 平成16年度は (1)このコンジェニックマウスコロニーの拡大を行った。その糖尿病スクリーニングの結果、NODマウスは高い発症率(雌の300日齢での累積発症率:88%)を示している一方で、NOD, CTS-H-2マウスでは発症率が低い(同発症率:26%)ことを明らかにした。 (2)戻し交配の過程で見出された新たなる組換え染色体を持ったマウス(F17とF21)をもとに選択的交配を行い、新たなる2系統のサブコンジェニックの樹立に成功した。ヘテロのサブコンジェニックマウスの糖尿病発症率が2系統とも少し抑制されていた(69%と67%)ため、ホモのコンジェニック個体の糖尿病発症率の評価によりIdd16の存在領域がより限局されることを明らかとした。 (3)さらに新たなる組み換え染色体を見出し(M156)、MHC領域内およびその周辺の遺伝子マーカーのタイピング結果をもとにIdd16の存在領域をより限局できる可能性を見出した。 (4)この領域の中の候補遺伝子としてクラスI MHC K遺伝子に注目し、NODマウスとCTSマウスのK遺伝子の塩基配列を決定し、蛋白レベルでの解析も行った。その結果、CTSマウスのK遺伝子がユニークであることを見出し、K遺伝子がIdd16である可能性を見出した。
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Research Products
(6 results)