2004 Fiscal Year Annual Research Report
臓器特異的ノックアウトマウスを用いたHNF4αによる糖代謝制御機構の解明
Project/Area Number |
15590938
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山縣 和也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70324770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 潤一郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (00127721)
岩橋 博見 大阪大学, 医学系研究科, 助手
沖田 考平 大阪大学, 医学系研究科, 助手
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Keywords | 糖尿病 / インスリン / 遺伝子 / HNF4α / MODY |
Research Abstract |
核内受容体型転写因子であるhepatocyte nuclear factor 4α(HNF4α)の遺伝子異常によりインスリン分泌不全を伴う2型糖尿病(MODY1)が発症するが、その機序は不明である。HNF4αは肝細胞に主に発現しており、膵における発現の詳細は不明である。そこでMODY1の発症機序を検討するために、膵β細胞におけるHNF4αの発現量、転写活性化能について検討した。ウエスタンブロットの結果、膵β細胞においては、肝細胞に発現していないHNF4α7/8アイソフォームの選択的発現を認めた。膵島および膵β細胞株におけるHNF4αの発現量は肝細胞における発現の約13%であった。HNF4α8は肝細胞で主に発現しているHNF4α2とN端が異なるsplicing variantであるが、リポーターアッセイの結果、HNF4α8の転写活性能はHNF4α8の約数%であることが判明した。さらにMODY1患者で同定されたR127W変異体を導入したHNF4α8の転写活性能はほぼ消失していた。これらの検討の結果、膵β細胞においては肝細胞とは異なるアイソフォームが発現しており、その発現量・転写活性化能はHNF4α2に比して箸しく低値であることがMODYの発症に関与していることが考えられた。 HNF4α2はそのN末端に転写活性領域(AF-1)を有するが、HNF4α8のN末端にはAF-1領域は認められなかった。一方、HNF4α8の活性はC端のFドメインにより負に制御されていた。これら特徴的なドメイン構造がHNF4α8の弱い転写因子活性に関与している可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)