2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590941
|
Research Institution | YAMAGUCHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松原 淳 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (40311815)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷澤 幸生 山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00217142)
植田 浩平 山口大学, 保健管理センター, 助手 (50325221)
田部 勝也 山口大学, 医学部附属病院, 医員(臨床)
|
Keywords | 糖尿病 / 膵β細胞量 / 構成的分泌 / 人工レポーター分子 |
Research Abstract |
我々は、膵β細胞の定量を目的として、非侵襲的かつ簡便に細胞量を推定できるシステムの開発を行っている。膵β細胞から構成的に分泌される分子を作成し、これを測定することでβ細胞量が定量できるというモデルを考案した。まず人工レポーター分子としてヒトアルブミンシグナル配列を有するヒトC-ペプチドAlb-hcを作成した。培養細胞株において、この人工蛋白Alb-hcの細胞内発現および細胞外への分泌を確認することができた。つまり、アルブミンシグナル配列が、人工分泌システムとして機能していることが確認できた。また、Alb-hcは、ヒトCペプチドELISA法で検出測定可能であり、レポーター分子として簡便に測定できるといえる。 今後は、膵β細胞株であるMIN6細胞へこの融合蛋白Alb-hcを導入、発現分泌を確認する。さらには、細胞量およびグルコース応答性による分泌量変化を検討し、分泌が構成的であることを確認する。この融合蛋白が、我々の意図するレポーター分子として機能することが確認できれば、同蛋白を導入したトランスジェニックマウスを作成する予定である。このトランスジェニックマウスを糖尿病の遺伝的背景を持つ他のマウスと交配することで、糖尿病発症までの膵β細胞量を観察することができる。本システムによる非侵襲的β細胞量定量法は、糖尿病発症、進展の病態の解明や発症予知のみならず、膵β細胞の減少を阻止するような薬剤療法や再生医療の開発に寄与するものと考えている。
|