2004 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的cDNA塩基配列決定を基盤とする膵β細胞特異的に発現する遺伝子の解析
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15590943
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉本 勝彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90201863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水澤 典子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80254746)
赤松 徹也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80294700)
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Keywords | 膵β細胞 / セリンプロテアーゼ / エンドソーム |
Research Abstract |
マウス膵β細胞株MIN6細胞から大規模なcDNA塩基配列の決定を行った。このうち、膵β細胞でのみ発現する1種の遺伝子を単離し、isletasinと名付けた。 isletasin遺伝子産物は552個のアミノ酸からなる。isletasin蛋白はN末端に21個のアミノ酸よりなる疎水性部分とセリンプロテアーゼのcatalytic triadとしてのヒスチジン、アスパラギン酸、セリン(HDS)の3残基を2箇所に有するというユニークな構造を有するが、活性化に必要な開裂部位のアミノ酸配列が保存されていないため、プロテアーゼ活性を有する可能性は少ないと考えられる。また予備的な実験では、本遺伝子産物にはプロテアーゼ活性は検出されなかった。またラットホモログをラット膵β細胞株INS-1細胞より単離した。マウスとラット間におけるアミノ酸配列の一致性は94.8%であった。5'-RACE法にて転写開始点は翻訳開始点から38bp上流であることを確認した。遺云子発現をreal-time PCRで検討したところ、MIN6細胞、βHC9細胞、INS-1細胞、マウスおよびラット単離膵島に高い発現を認めた。 COS-7細胞にisletasin遺伝子を導入して解析した結果より、シグナルペプチドが切断されること、およびN-グリコシル化を受ける糖蛋白であることを明らかにした。また細胞膜画分の炭酸ナトリウム処理、TritonX-114処理、proteinase K処理の結果より、isletasinはマイクロソーム画分の内腔側で膜に強固に接して存在する蛋白であることを明らかにした。また、isletasinと緑色蛍光蛋白との融合遺伝子あるいはHis-mycのタグを付加したisletasinを用いた実験においては、緑色蛍光蛋白のシグナルが初期エンドソームのマーカーのシグナルと重なりを示している部分が認められた。
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