2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規糖代謝調節転写因子(ChREBP)の膵島細胞における細胞生物学的意義
Project/Area Number |
15590963
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
川口 巧 久留米大学, 医学部, 助手 (00320177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 大 久留米大学, 医学部, 講師 (00241175)
古賀 浩徳 久留米大学, 医学部, 講師 (90268855)
谷口 英太郎 久留米大学, 医学部, 助手 (50341318)
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Keywords | ChREBP / INS-1細胞 / インスリン分泌 / Nuclear localization signal / 細胞内局在変化 / 2型糖尿病 / HepG2細胞 / insulin receptor substrate |
Research Abstract |
前年度迄に我々は、新規糖代謝調節転写因子(ChREBP)の遺伝子導入により、インスリン分泌能を有するINS-1細胞のインスリン分泌能が変化する事を証明した。本年度は、ChREBPの細胞内局在変化をgreen fluorescent protein融合ChREBPをINS-1細胞に遺伝子導入し共焦点レーザー顕微鏡にて検討した。ChREBPは低濃度グルコース培養下では細胞質に分布していた。一方、高濃度グルコース培養下ではChREBPは核内に観察された。ChREBPのN末端にはNuclear localization signal(NLS)サイトが存在する。NLSサイトに相当する遺伝子を欠くミュータントChREBPでは、グルコース濃度変化による細胞内局在変化は認められなかった。これらのことから、我々は、ChREBPがグルコース濃度変化によりその細胞内局在を変化させること、またその局在変化にはNLSサイトが重要であることを証明した。次に、ChREBP過剰発現による細胞内小器官の形態的変化について電子顕微鏡を用いて検討した。ChREBP遺伝子導入群と非導入群の間には核・ミトコンドリア・小胞体に形態的変化を認めなかった。しかし、ChREBP遺伝子導入により、細胞内インスリン小胞数が増加しており、ChREBPのインスリン遺伝子転写活性への関与が示唆された。一方、臨床的側面からのアプローチとして、2型糖尿病患者膵組織よりChREBPの遺伝子変異を検討中である。現在までに明らかな遺伝子変異は同定できていない。しかしながら、症例数は十分でなく、継続して検討を行っている。また、我々は膵島細胞と同様にChREBPを高発現しているHepG2細胞を用いてインスリン抵抗性の検討を行い、insulin receptor substrate-1/2の発現の低下がインスリン抵抗性発現に関与することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)