2003 Fiscal Year Annual Research Report
新たにクローニングされたステロイド硫酸基転移酵素に関する研究
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15590965
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 力 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00292029)
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Keywords | 硫酸基転移酵素 / 発現調節 / in situ hybridization / プロモーター / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
平成15年度基盤研究(C)(一般)研究計画調書に基づき平成15年度に以下の研究を行い成果を得た。 1.マウスSULT2B1aおよび2B1bの組織分布 マウスSULT2B1aと2B1bは、ひとつの遺伝子より第一エクソンを異にする選択的スプライシングにより生ずるタンパクである。申請者は、SULT2B1aと2B1bを特異的に認識するプライマーを用いてRT-PCR法により組織分布を検討し、SULT2B1aは神経系に、SULT2B1bは表皮を含む上皮系に強く発現していることを明らかにした。さらに、詳細に組織分布を検討すべく、サブファミリーに属するSULT2A1を含め、特異的オリゴプローブを用いてin situ hybridization法を行った。用いた検体は胎生18日目のマウスならび生後7日目と成人マウスの中枢神経系である。SULT2A1は胎生18日目のマウスで軟骨組織ならびに胃上皮での発現を認めたが中枢神経系での発現は認めなかった。SULT2B1aは胎生18日目ではSULT2A1と同様軟骨組織および胃上皮に発現を認めた。中枢神経系においては、生後7日目では海馬、嗅脳および大脳皮質において、成人においては前述の部位に加え、小脳にもその発現を認めた。一方、SULT2B1bは胎生18日目では軟骨組織、胃上皮に加え表皮での強い発現を認めた。中枢神経系での発現は成人小脳において弱い発現を認めた。つぎに、特異的アミノ酸配列を持つN端に対する合成ペプチドを作成、家兎に免役しポリクローナル抗体を作成した。この抗体を用いて免疫組織化学的検討を行う予定である。 2.マウスSULT2B1aおよび2B1bの発現調節 おのおのについて転写開始点上流約2kbのゲノムをPCR法により単離し、種々の長さのゲノムDNAをルシフェラーゼ発現ベクターに連結しプロモーター・エンハンサー解析発現ベクターを作成した。SULT2B1aについては、数種の中枢神経由来の細胞株での発現をRT-PCR法により検討したが、いまだ発現細胞を同定していない。胎児中枢神経細胞を用いた初代培養系での検討が必要と考えている。SULT2B1bについてはマウスケラチノサイト細胞株での発現が確認できたので、この細胞株を用いて発現調節機構を検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shimizu C: "Conservation of the Hydroxysteroid Sulfotransferase SULT2B1 Gene Structure in the Mouse : Pre- and Postnatal Expression, Kinetic Analysis of Isoforms, and Comparison with Prototypical SULT2A1"Endocrinology. 144. 1186-1193 (2003)
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[Publications] Shimizu C: "Double pituitary adenomas with distinct histological features and immunophenotypes"J Neuro Neurosurg Psychiatry. 75. 140 (2004)
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[Publications] Kubo M: "Alternate Promoter and 5'-Untranslated Exon Usage of the Mouse Adrenocorticotropin Receptor Gene in Adipose Tissue"Endocri J. 51. 25-30 (2004)
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[Publications] Nagai S: "Identification of an functional peroxysome proliferator-activated receptor responsive element within the murine perilipin gene"Endocrinology. (in press). (2004)
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[Publications] Suzuki F: "Adulut-onset Idiopathic Hypogonadotropic Hypogonadism due to Isolated Pituitary Gonadotropin Deficiency"Internal Medicine. (in press). (2004)
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[Publications] 竹内 淳: "13C-acetate呼気試験による糖尿病性胃麻痺の検討"日本内分泌学会雑誌. 79. 27-29 (2003)