2003 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロゲン受容体特異的コアクチベーターp120βのアンドロゲン抵抗性解除の解析
Project/Area Number |
15590968
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
門伝 剛 群馬大学, 医学部, 助手 (20323363)
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Keywords | 前立腺癌 / コアクチベーター / p120 / アンドロゲン受容体 |
Research Abstract |
前立腺癌の再発例はアンドロゲン非依存性であり、内分泌療法に抵抗性を示す。アンドロゲン依存性から非依存性を獲得するメカニズムを、アンドロゲン受容体特異的コアクチベーターp120を用いて解明するのが本研究の目標である。本年度においては(1)アンドロゲン受容体(AR)全長を発現するPC3細胞を作成した。サザンブロット法、ノーザンブロット法にてARの発現を確認した。また MMTV-Lucリポーター遺伝子を導入するとdehydrotestosterone(DHT)の存在下でルシフェラーゼ活性が約10倍に上昇し(コントロール群のPC3細胞では1.2倍)、またMTTアッセイにおいてDHT添加により細胞のアポトーシスの誘導が惹起されることより発現させたARが機能していることを証明した。この細胞においてp120の発現が変化しているかを検討したが、p120α及びβの発現比はコントロール群と比較して変化はなく(p120α>p120β)、アンドロゲン感受性細胞あるいは正常前立腺の様にp120β優位性は認められなかった。さらなる詳細な検討が必要ではあるが、このことよりp120αとβの発現比の変化はARの存在だけでは起こり得ないことが推察された。(2)p120αの発現を抑制するRNAi(interference)の構築をこころみている。p120βはp120αの73アミノ酸が欠如しているスプライシングバリアントであり、その部位にいくつかのRNAiを作成してみたが、一番効率が良いものでも30%の減少を認めるのみであり、RNAiの配列の特異性の問題によりp120αのみをノックダウンすることは困難である可能性があると考えられた。 今後は作成したAR発現PC3細胞にp120βを共発現する細胞を作成し、アンドロゲン感受性の変化を綾討する。
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