2004 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌細胞に発現する非選択性陽イオンチャネルの生物学的意議
Project/Area Number |
15590969
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 幸路 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20236243)
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Keywords | イオンチャネル / 内分泌細胞 / ghrelin / IGF-1 / ホルモン分泌 / 細胞成長 / 下垂体細胞 / 成長ホルモン |
Research Abstract |
ヒトGH産生下垂体細胞においてGHRHとghrelinはともに非選択性陽イオンチャネルを活性化する。この活性化により、細胞は脱分極し活動電位の活性化を介して細胞内カルシウム濃度を増加GH分泌を促進する。この二つの因子によって活性化される非選択性陽イオンチャネルについて調べた。GHRHで活性化されるチャネルもghrelinで活性化されるチャネルも共にカルシウム透過性がなく、Gd、ruthenium redなどのブロッカーによりブロックされた。薬理学的方法では二つのチャネルを区別できなかった。一方GH産生下垂体腺腫細胞においてIGF-1で活性化される非選択性陽イオンチャネルはカルシウム透過性を有し、Ruthenium redでブロックされるがGdではブロックされずTRPVチャネルファミリーの性質を有していた。この細胞においては50℃の高熱で同様のチャネルが活性化されるが、capsaicinによっては電流の活性化が認められないことからTRPV2がこの細胞で機能していることが示され、この細胞にはTRPV_2の発現がmRNAと蛋白質レベルで確認できた。Morpholino antisenseによりIGF-1で活性化されるチャネルがTRPV_2であることが証明された。このチャネルをブロックするとIGF-1によるp70S kinaseの活性化が著しく抑制されることから、IGF-1の生理作用の発現に必須のチャネルであることが明らかになった。副腎皮質球状層細胞においてACTHは非選択性陽イオンチャネルを活性化した。この活性化にはPKAが関与していた。チャネルはわずかなカルシウム透過性を有していた。この活性化により膜の脱分極が生じ、T型カルシウムチャネルの活性化閾値以上になって細胞内へのカルシウム流入が生じ、アルドステロン分泌が促されると考えられた。このチャネルの同定を行っている。
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Research Products
(4 results)