2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間質細胞の分化におよぼす男性ホルモン作用の解明
Project/Area Number |
15590984
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岡崎 亮 帝京大学, 医学部, 講師 (10297137)
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Keywords | 男性ホルモン / 脂肪細胞 / 骨芽細胞 / 女性ホルモン受容体 / アロマターゼ / PPARγ / BMP |
Research Abstract |
マウス骨髄間質細胞株ST-2、ST-2にヒトエストロゲン受容体α(ERα)あるいはERβを過剰発現させたST2ERαもしくはST2ERβは、bone morphogenetic protein-2(BMP-2)の刺激により、alkaline phosphatase(ALP)陽性の骨芽細胞およびoil red-O染色陽性の脂肪細胞への分化が促進され、peroxisome proliefator activated receptorγのagonistであるtroglitazone刺激により、脂肪細胞への分化が促進される。この系に、アンドロゲンである5α-dehydrotestosterone(DHT)あるいはdehydroepiandrostendinoe(DHEA)を同時添加すると、骨芽細胞への分化が更に促進され、脂肪細胞への分化は抑制された。また、脂肪細胞分化の促進に伴うPPARγ2mRNA発現の増強が、アンドロゲンにより著明に抑制された。これらのアンドロゲン作用は、アンドロゲン拮抗薬であるhydroxyflutamideでは阻害されないが、エストロゲン拮抗薬であるICI182780で完全に阻害された。また、aromatase阻害薬は、アンドロゲン作用に影響を与えなかった。以上の反応は、ER過剰発現細胞では著明に認められたが、野生型ST-2では殆ど認められなかった。しかし、野生型ST-2とER過剰発現細胞のアンドロゲン受容体の発現には、ほとんど差異がなかった。これらの結果から、アンドロゲンがERを介して、骨髄間質細胞の分化を制御している可能性が考えられた。現在、アンドロゲンがエストロゲン反応性リポーター遺伝子の活性に影響を与えるか否かを検討している。
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