2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間質細胞の分化におよぼす男性ホルモン作用の解明
Project/Area Number |
15590984
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岡崎 亮 帝京大学, 医学部, 助教授 (10297137)
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Keywords | 男性ホルモン / 脂肪細胞 / 骨芽細胞 / PPARγ / Wnt |
Research Abstract |
1.アンドロゲンがPPARγ系におよぼす作用 前年度までの検討で、アンドロゲンである5α-dehydrotestosterone(DHT)あるいはdehydroepiandrostendinoe(DHEA)による脂肪細胞分化抑制および骨芽細胞分化促進作用が、エストロゲン受容体を介して、PPARγ系作用を減弱させることを介して発現している可能性が考えられた。そこで、DHTおよびDHEAがエストロゲン反応性リポーター(ERE-luc)に及ぼす効果を検討した。DHTおよびDHEAは、いずれもERE-luc活性を上昇させることが明らかになった。現在、その詳細を検討中である。一方、PPARγ反応性リポーターに及ぼす反応を確認する目的で、PPARγ反応性領域(PPRE)を単独で有するリポーター遺伝子(1×PPRE-luc)を当初用いたが、PPARγアゴニストであるトログリタゾン(Tro)に対する十分な反応が得られなかったため、PPREをタンデムに有するリポーター遺伝子を作成した。現在、3×PPRE-lucおよび6×PPRE-lucを用いて、反応性を検討中である。 2.アンドロゲンがWnt系に及ぼす作用 脂肪細胞分化および骨芽細胞分化の調節にWnt系が関わっている可能性が明らかになったため、我々の系におけるWnt系の関与を検討した。RT-PCRで、ST2細胞は少なくともWnt3a、10b、11、LRP5、FZD9を発現していることが明らかになった。これらのうちWnt10bの発現はTroにより減弱した。DHTやDHEAによる発現調節は明らかでなかった。また、Wnt反応性リポーターであるTOP-FLASHの反応性もアンドロゲンによる調節を受けていなかった。
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