2004 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞ならびにPit-1過剰発現マウスを用いた骨血管相関と老化メカニズムの研究
Project/Area Number |
15590987
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
鈴木 敦詞 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90340265)
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Keywords | 動脈硬化 / 血管平滑筋 / 石灰化 / リン酸輸送体 |
Research Abstract |
最近血管平滑筋細胞において骨芽細胞への形質転換と、動脈硬化部位での異所性石灰化機構におけるIII型ナトリウム依存性無機リン酸輸送担体Pit-1の関与が示唆されている。我々は今まで骨芽細胞分化・骨基質石灰化におけるPit-1発現の制御機構とその役割について明らかとしてきており、昨年の報告書ではラット臍動脈由来血管平滑筋細胞株A-10を用いて血小板由来成長因子(PDGF)-BBによる細胞増殖・Pit-1mRNA発現ならびに無機リン酸輸送能の促進作用について報告した。細胞株においては今年度はG蛋白質結合型受容体(GPCR)アゴニストである昇圧ペプチド、アルギニンバゾプレッシン(AVP)の影響について検討した。AVPはGPCRアゴニストによる細胞内情報伝達機構の古典的な経路であるプロテインキナーゼCな(PKC)のみならず、上皮細胞増殖因子(EGF)受容体を交差活性化することで、ホスファチヂルイノシトール3キナーゼならびにS6キナーゼを活性化し、それらの経路がAVPによるリン酸輸送活性増幅に関与することが示唆された。 一方、無機リン酸輸送担体発現の骨格形成ならびに動脈硬化への関与を検討するためにPit-1遺伝子をWister系ラットに導入し、その過剰発現ラット作製に成功した。PCRならびにサザンブロッティング解析にてPit-1遺伝子が過剰発現ラット(Pit-1 TGラット)、ならびに正常Wister系ラットと交配した結果得られた仔ラットに発現していることが確認された。Pit-1 TGラットは先天的白内障・進行性ネフローゼ症候群と骨軟化症を呈することが確認され、生体の恒常性維持に深く関与していることが示唆されたため、さらにその病態の詳細を検討中である。
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Research Products
(1 results)