2004 Fiscal Year Annual Research Report
急性白血病におけるゲノム薬理学を応用したテーラーメイド治療の確立
Project/Area Number |
15590999
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
上田 孝典 福井大学, 医学部附属病院, 教授 (40160171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦崎 芳正 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (10281031)
山内 高弘 福井大学, 医学部, 助手 (90291377)
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Keywords | ara-C / DNA / 耐性 / microarray |
Research Abstract |
代表的抗白血病剤ヌクレオシドアナログ、シトシンアラビノシド(1-beta-D-arabinofuranosylcytosine, ara-C)の最終活性型代謝物であるDNA内転入ara-Cの微量定量法を確立した。本法によりDNA内転入ara-C量を測定したところ、転入量はara-Cの濃度依存性、時間依存性に増加した。測定値の変動幅は約30%で、測定結果は放射性同位元素標識ara-Cを用いた比較実験の測定値と極めて近似し、本法の妥当性が確認された。 またara-C耐性細胞に共通のゲノムレベルの変化の有無を確認するため、造血細胞の各lineageのcell lineにつき、各々の耐性細胞を作製した。樹立した耐性細胞株はmyeloid系のHL60,K562,単球系のTHP1,Tリンパ球系のCEM,組織球系のU937の計5細胞でそれぞれAra-Cに10倍前後耐性を示している。同時に他の抗癌剤に対する交差耐性の有無も検討中であり、MIT(mitoxantron)に対しては交差耐性を示していなかった。VP16(etoposide)にはCEMのみが交差耐性を示し、AraCと同じヌクレオシドアナログであるdFdC(gemcitabine)に対してはK562以外が交差耐性を示し、F-ara-A(fludarabine)は逆にK562以外交差耐性を示さなかった。さらに他の数種類の抗癌剤で交差耐性の有無を確認する予定である。今後5つのcell lineageのmicroarrayによる解析を行い、耐性に関与する遺伝子同定を予定している。
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Research Products
(3 results)