2003 Fiscal Year Annual Research Report
Notchシグナルの抗IL-6作用:多発性骨髄腫に対する新しい治療の開発に向けて
Project/Area Number |
15591001
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
片山 直之 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20185812)
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Keywords | Lnagerhans細胞 / Notchシグナル / 単球 / ヒト / GM-CSF / TGF-β |
Research Abstract |
我々は以前、IL-6がヒト単球のdermal型樹状細胞への分化を抑制することを報告した。本研究では、多発性骨髄腫の免疫不全の克服を目的として、Notchシグナルの抗IL-6作用の検討を試みた。その過程でNotchシグナルがヒト単球のLangerhans細胞への分化に密接に関わっていることを示す所見を偶然に観察したこととNotchリガンドDelta-1が表皮のケラチノサイトの一部に発現されているという最近の報告に基づき、ヒトLnagerhans細胞の分化におけるNotchシグナルの役割についての検討を開始することにした。一方で、ヒトLangerhans細胞が造血幹細胞由来であることも明らかにされている。しかしながら、細胞起源と最終分化を遂げた細胞は同定されているものの、他の血液細胞と異なり、終末分化前の前駆細胞については明確ではない。そこで、末梢血単球がLangerhans細胞の前駆細胞であり、皮膚環境においてLangerhans細胞に分化するという仮説を立て研究を進めた。ケラチノサイトを中心とした皮膚構成細胞は、GM-CSFとTGF-β1も産生するため、末梢血単球をNotchリガンドDelta-1、GM-CSF、TGF-β1の存在下で培養した。Notchリガンドとしては、Notchシグナルが効率的に伝達される固相化NotchリガンドDetla-1を用いた。培養細胞はCD1a、E-Cadherin、CCR6、Birbeck顆粒、Langerinを発現し、TNF-αとCD40リガンドで分化させると、CD80、CD86、HLA-ABC、HLA-DRを強発現し、典型的なLangerhans細胞の表現型を示した。このような表現型を示す細胞の誘導はこれまで報告されていない。細胞機能については現在検討中である。以上の研究成果は難治性造血器腫瘍である多発性骨髄腫などの免疫細胞療法の開発に貢献するものと思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nishii K, et al.: "Characterization of t(8;21) acute myeloid leukemia (AML) with additional chromosomal abnormality : concomitant trisomy 4 may constitute a distinctive subtype of t(8;21) AML"Leukemia. 17・4. 731-737 (2003)
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[Publications] Ohishi K, et al.: "Notch signaling in hematopoiesis"Semin Cell Dev Biol. 14・2. 143-150 (2003)
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[Publications] Sugimoto Y, et al.: "Acute myeloid leukemia with t(8;21)(q22;q22) manifesting as granulocytic sarcoma in the rhinopharynx and external acoustic meatus at relapse after high-dose cytarabine : case report and review of the literature"Hematol J. 5・1. 84-89 (2004)
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[Publications] Araki H, et al.: "Reprogramming of human post, mitotic neutrophils into macrophages by growth factors"Blood. (印刷中). (2004)
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[Publications] Suzuki H, et al.: "Activities of granulocyte-macrophage colony-stimulating factor and interleukin-3 on monocytes"Am.J.Hematol. (印刷中). (2004)