2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591027
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
八田 善弘 日本大学, 医学部, 助手 (30318430)
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Keywords | 成人T細胞性白血病(ATL) / PPAR-γ / pioglitazone |
Research Abstract |
【本年度の研究目標】 NF-kB、IkBはATL細胞の増殖に大きく関与している。抗腫瘍効果を有するpioglitazone(PPAR-γのリガンド)によりATL細胞に増殖抑制、アポトーシスが誘導されるときにNF-kB、IkBを介する系がどのような変化を示すかを検討する。 【対象と方法】 PPAR-γのリガンドであるpioglitazoneを白血病・リンパ腫細胞株(K562、HL60、U937,HEL、CEM、NALM1)およびATL細胞株(MT1、MT2、F6T、OKM3T、Su9T01、HUT102)に添加し、コロニー形成をみた。また、正常骨髄細胞および白血病患者由来単核球にpioglitazoneを同様に添加し、CFU-GM、BFU-E、CFU-E、L-CFUの形成能を調べた。pioglitazoneによる抗腫瘍効果発現時にATL細胞においてNF-kBの発現量および発現の局在を免疫染色で検討した。 【結果、考察】 300μMのpioglitazoneでHUT102以外のATL細胞のコロニー形成は完全に抑制された。HUT102は88%抑制された。他の白血病・リンパ腫細胞株も60-100%のコロニー形成が抑制された。5人の白血病患者由来のL-CFUは約85%抑制された。それに対して正常のCFU-GMは23%、CFU-Eは30%、BFU-Eは67%と抑制が少なかった。以上よりpioglitazoneはATL細胞の増殖抑制に著効を示すことがわかり、ATLに強く発現しているNF-kBにpioglitazoneが作用している可能性が考えられた。しかし、pioglitazone処理48時間ではATL細胞のNF-kBの発現量および発現の局在は無処理群と変化なく、pioglitazonの作用機序はNF-kBに関与していないと考えられた。
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