2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591027
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
八田 善弘 日本大学, 医学部, 助手 (30318430)
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Keywords | 成人T細胞性白血病(ATLL) / PPAR-γ / pioglitazone / IkB |
Research Abstract |
15、16年度の研究でATLLではIkBの遺伝子変異が少ないこと、pioglitazoneでATLLの増殖抑制が見られるが、その際にはIkBの蛋白発現に変化がみられないことを報告した。一方、IkBの下流に位置するNFkBの高発現がATLLの増殖に重要な働きを担っていることは周知の事実である。以上からATLLではIkBよりもその下流にあるNFkBが一次的に重要であることが示唆された。さらに、IkBも有しているankyrin motif塩基配列は、この塩基配列を同様に持つp15/INK4B、p16/INK4Aなどの機能解析から細胞増殖に重要であることが知られている。すでにp15/INK4B、p16/INK4A蛋白の発現低下はATLLを含むリンパ腫では発症、進展に重要とされており、予後悪化因子であることも知られている。しかしながら、同じようにankyrin motifを有するp18/INK4C蛋白の発現とATLLの発症、進展、予後は未知である。本年度はp18/INK4Cの蛋白発現をATLLおよび他の悪性リンパ腫で免疫染色を用いて検討した。ATLL9例全例でp18/INK4C蛋白は発現していなかったが、びまん性リンパ腫22例中3例、高悪性度リンパ腫(バーキットリンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫)8例中1例にはp18/INK4C蛋白が発現していた。この結果は既に報告したATLLの細胞株でp18/INK4CのmRNA発現がほとんどみられないという事実と一致しており、転写機構の障害が示唆される。 本年の後半ではこれらの研究成果をまとめ、論文執筆を準備中である。
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