2004 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息における気道リモデリングのスフインゴシン1リン酸による抑制に関する研究
Project/Area Number |
15591045
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石塚 全 群馬大学, 医学系研究科, 助手 (50302477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 史和 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (30142748)
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Keywords | スフィンゴシン1-リン酸 / 気管支平滑筋 / リモデリング / 細胞遊走 / RANTES / GTP結合蛋白 / Rac / Gαq |
Research Abstract |
気管支喘息の重症化、難治化には気道粘膜における線維沈着、平滑筋増生肥厚などにより、永続的な気道壁の肥厚が起こること、いわゆる気道壁のリモデリングが重要である。近年、新しい生理活性脂質の一つとして注目されているスフィンゴシン1-リン酸(S1P)は気管支喘息患者を経気管支的に抗原刺激した後に気管支肺胞洗浄液中で増加することが報告されており、S1Pが気管支平滑筋や気道線維芽細胞に作用して気道壁のリモデリングに関与する可能性がある。ヒト正常気管支平滑筋細胞(BSMC)は血小板由来増殖因子(PDGF)によって遊走し、特にBSMCの気道上皮側への遊走は気道壁のリモデリング形成過程に重要である。また、BSMCはRANTESやEotaxihなどのケモカインを産生し、好酸球などの炎症細胞を気道局所に集積させ、気道炎症の遷延化、重症化を惹起し、気道壁のリモデリング形成を進展させる。S1Pは特異的なG蛋白共役型レセプターを介してBSMCに作用し、PDGFによるBSMCの遊走を抑制し、またTNFα刺激によるBSMCからのRANTES産生を抑制したことより、気道壁のリモデリング形成に抑制的に作用する可能性が示唆された。次にS1PによるBSMCの機能抑制の細胞内メカニズムを検討した。S1PはPDGF刺激によるGTP結合蛋白Racの活性化を抑制し、Dominant negative Rac1をアデノウイルスベクターを用いて導入したBSMCはPDGFによる遊走を抑制した。また、S1PによるBSMCのRANTES産生抑制は、Dominant negative Gαqを遺伝子導入すると解除された。以上の結果よりS1PはS1Pレセプターを介して、Rac活性化を抑制し、また、S1Pレセプター、Gαqを介してRANTESの産生を抑制する。
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