2003 Fiscal Year Annual Research Report
IgEの生物学的作用の二面性とアレルギー疾患における意義の検討
Project/Area Number |
15591048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 正雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10302704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 浩一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 寄附講座教員(常勤形態) (10156630)
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Keywords | アレルギー / 好塩基球 / マスト細胞 / IgE / 脱感作 |
Research Abstract |
我々は従来、IgE自体によるマスト細胞や好塩基球の表面FcεRI発現増加誘導の結果として、IgE依存性細胞活性化が増強することを報告し、この機構がI型アレルギー疾患の病態において増悪・遷延化に関与しうることを論じてきた。本研究では、IgEの作用に関して包括的検討を行い、一般に即時型反応を直接惹起する働きばかりが注目されるIgE及びその架橋刺激が、実際には反応性制御機構としても強力かつ重要であり、反応性増強と抑制という両面の作用を発揮しうることを見出してきている。 具体的には、ヒト好塩基球を用いて、IgE・抗IgE抗体両者の濃度を変えて添加して1〜数日培養後に、好塩基球表面FcεRI発現量、細胞活性化、脱感作を測定した。抗IgE抗体単独添加であれば、既に報告しているように、抗体濃度に依存的に脱感作現象(以後のIgE依存性反応の減弱)と反応性増強(IgE非依存性反応に関して)が認められた。その機序としては、FcεRI発現量変化自体は関与していないと考えられた。これに対し、培養中にIgEと抗IgEの両者を添加しておくと、IgE濃度にも依存して、上記脱感作現象と反応性増強の両方が減弱していることが見出された。培養液中に添加するIgE、抗IgE抗体の濃度を様々に変えて反応性変化を見たところでは、IgEと刺激抗体両者のバランスが反応性への影響に重要であろうと、現時点では想定している。
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Research Products
(1 results)