2004 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息などのアレルギー性疾患治療薬としての活性化プロテインCの有用性の検討
Project/Area Number |
15591053
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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Keywords | 気管支喘息モデル / Th2サイトカイン / 細胞内伝達機構 / 活性化プロテインC / IgE産生 / 喘息の新しい治療薬 / 樹状細胞によるリンパ球の活性化 / 喘息の発症 |
Research Abstract |
16年度は、前年度の検討を続けるとともに、好塩基球細胞とリンパ球のシグナル伝達に対するAPCの効果を検討した。 (1)好塩基球とリンパ球の細胞株に対するAPCの効果の解析:KU812好塩基球細胞株とJurkatリンパ球細胞株をトロンビンで刺激した。トロンビンの刺激によるKU812とJurkat細胞培養上清中のIL-5の濃度は、コントロール細胞に比べ、有意に高値であった。また、トロンビンで刺激したマウスリンパ球培養上清中のIgEの濃度は、コントロール細胞に比べ、有意に高かった。これらの実験系でAPCの抑制効果を検討した。APCは好塩基球とリンパ球からのIL-4及びマウスリンパ球からのIgEの分泌を有意に抑制した。 (2)樹状細胞へのAPCの効果の検討:樹状細胞にOvalbuminをパルスする前後、あるいは気道内に移植する直前にAPC(60μg/ml)を培地中に添加し、気道内移植した。Ovalbumin吸入後気管支肺胞洗浄液(BALF)中の好酸球数、Th2サイトカインを測定し、APCの樹状細胞に対する効果を検討した。その結果APCで処理した樹状細胞はAPC処理しなかった細胞に比べ喘息の発症が軽度でBALF中のinterleukin-4、interleukin-15の濃度は低下した。 (3)リンパ球のシグナル伝達に対するAPCの効果:IL-4またはIL-4+APCで培養したJurkat細胞を用いてWestern blottingでPKCの活性化を検討した。また、Gel shift assayでNFκBの活性化も検討した。APCはPKCによる伝達機構とNFκBの活性化を抑制した。 これらの結果からAPCは気管支喘息に対する治療薬としての有用性が示唆されている。
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Research Products
(5 results)