2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591065
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
戸部 敞 昭和大学, 薬学部, 教授 (90102368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 泰子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (20155790)
根来 孝治 昭和大学, 薬学部, 助手 (70218270)
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Keywords | CD25^<high>CD4^+CD45RO^+T細胞 / Treg / Ca流入 / 喘息 |
Research Abstract |
アレルギー疾患治療を目指し、アレルギー患者の免疫担当細胞の変化を調べ、治療の指針を考えることを目的に本研究を行った。制御性T細胞即ちCD25^<high>CD4^+CD45RO^+T細胞(Treg)に着目し、Tregの質と量を健常人と喘息患者で比較検討したところ、成人では、量的変化は見られず、質的変化が見られた。即ち、本来Tregは不応答性であるはずが、成人喘息患者のTregは刺激により、Ca流入がみられ、免疫反応が亢進する方向の反応が観察された。このCa流入の程度は喘息の病態とは明確に関連付けることはできなかった。これは成人喘息患者は罹患機関が長くステロイドなど薬物治療が行われ、症状が安定しているために、免疫担当細胞の質的変化と病態が一致しなかったと考えられる。従って、本年はそれら薬物治療の影響が少ないと考えられる、罹患期間の短い小児喘息患者を対象にTregの機能と病態の関係を調べた。小児喘息患者も成人喘息患者と同様にCa反応性が成人小児とは異なる結果を得た。また、小児ではT細胞中のTregの割合が成人に比べ低いことも分かった。しかし、Ca反応性と病態との直接的相関は見られなかった。そこで、Treg細胞マーカーを持つT細胞中のCa不応答性細胞数の割合を比較したところ、健常小児と喘息小児とで明らかな差異が認められた。同様の比率を成人喘息患者で調べたところ、同じような結果を得た。本来ならば、TregがCa不応答細胞であるから、TregとCa不応答細胞は1:1の割合にあると考えられる。小児でも成人でもこの比率が異なり、Treg中にCa反応性の細胞が存在することが明らかとなった。したがって、この比率が臨床上、診断、治癒の程度などを判断する指標となる可能性を示した。今後、この比率をインデックスとして、多くの喘息患者を調べその有用性を検証してゆく予定である。
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