2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスによる抗内皮細胞抗体の機能解析を中心とした難治性血管炎の病因解明
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15591069
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 智啓 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助教授 (80233807)
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Keywords | 抗内皮細胞抗体 / 血管炎 / プロテオミクス |
Research Abstract |
本研究は難治性血管炎で出現する抗内皮細胞抗体の対応抗原の同定と解析を目的とした。抗内皮細胞抗体は血管内皮細胞に直接結合による障害を通して血管炎を発症する機序が考えられており、抗内皮細胞抗体対応抗原の種類とそれによる内皮細胞障害の機序を解明すれば、血管炎の初期においてその進行を防ぐことができると考えられる。しかしながら、これまで対応抗原が詳しく特定されてないために、これらの機序が分子レベルで解明できない状況であった。方法として、ヒト臍帯静脈由来内皮細胞(HUVEC)と比較用細胞としてHela細胞から蛋白を抽出し、等電点および分子量による2次元電気泳動法で分離展開した。その後、ニトロセルロース膜に転写し、血管炎患者血清を用いてウエスタンブロットを行った。このdifferential western blotting法で、血管内皮細胞に特異的な自己抗原を網羅的に検出した。その結果、約50個のHUVECに特異性の高い自己抗原を検出した。mass-fingerprinting法にて同定した候補蛋白の中にperoxiredoxin2があり、これについて組換え蛋白を作成し、ELISA法にて、血管炎を含む多数膠原病血清を検索した結果、本自己抗体は血管炎患者の60%以上で検出されるが、血管炎を有しない場合は10%程度であることが判明し、血管炎の存在に特異性の高いことが判明した。さらにフィブリン形成と融解機序に関与すること、疾患の活動性と相関することなどが判明した。このperoxiredoxin2は抗酸化作用をもつ酵素で、細胞表面にも検出されることから、これに対する自己抗体が血管炎において、血管内皮細胞に直接結合するか、あるいは血管内皮細胞が酸化に対する抵抗性が現弱し傷害が進むことで、血管炎の増悪因子になりうる可能性が示された。
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Research Products
(6 results)