2005 Fiscal Year Annual Research Report
感染性胃腸炎における宿主反応の強度に関わる細菌遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
15591073
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高田 徹 福岡大学, 医学部, 講師 (90268996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴宮 淳司 福岡大学, 医学部, 助教授 (70206556)
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Keywords | Campylobacter jejuni / Cj0208 / Cj0634 / Cj0722c |
Research Abstract |
【目的】過去2年間の研究で変異株の得られたCampylobacter jejuniの3つの遺伝子(Cj0208,Cj0634,Cj0722c)の機能についてさらに詳細な検討を加える。 【方法】各遺伝子(Cj0208,Cj0634,Cj0722c)の菌増殖に与える影響を各野生株と変異株との間で比較した。また、各遺伝子の菌増殖に与える影響、消化管定着能や感染組織におけるアポトーシス惹起能、ケモカイン分泌刺激に与える影響について野生株と変異株との間で検討を加えた。さらに各遺伝子の相補性試験を行い、各機能が各遺伝子の機能そのものであり、下流遺伝子の影響によるものでないかどうかを検討した。 【結果】Cj0208,Cj0634,Cj0722c各変異遺伝子変異株と親株との間に増殖能の差異は認められなかった。二次元電気泳動によるプロテオミクス解析では、Cj0722c変異株では親株に比し複数の蛋白の発現の増強がみられる一方、逆に発現の減弱が認められた蛋白もみられ、複数の蛋白の発現制御に関わっていることが明らかになった。DNAマイクロアレイによる解析では鞭毛flaB遺伝子の発現減弱がみられる一方、MCPドメインシグナル伝達蛋白遺伝子をはじめとする複数遺伝子の発現増強が認められた。相補性試験により各変異株が親株に比してみられたこれらの変化は親株とほぼ同等に回復し、各機能は下流遺伝子の影響によるものではなく、各遺伝子そのものの機能であることが確認された。マウス消化管定着能の定量的評価ではCj0208、Cj0722c各変異株で消化管定着能の低下が認められた。感染組織におけるアポトーシス惹起能、ケモカイン分泌刺激に与える影響については再現性にバラつきがあり、今後さらに検討を加える予定である。
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Research Products
(1 results)