2004 Fiscal Year Annual Research Report
血小板産生および巨核球分化におけるBACH1転写因子の機能解析
Project/Area Number |
15591079
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
土岐 力 弘前大学, 医学部, 講師 (50195731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 悦朗 弘前大学, 医学部, 教授 (20168339)
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Keywords | 転写因子 / 巨核球 / BACH1 / NF-E2 |
Research Abstract |
【研究の目的】 ダウン症の約一割に、新生児期に類白血病状態(TMD)を示す例が認められる。多くのTMDは無治療で寛解に至るが、一部は4年以内に急性巨核球性白血病(AMKL)を発症する。BACH1遺伝子は、21番染色体上に座位するが、この因子がTMD,AMKLの発症に関与している可能性を検索する。本研究の目的は、1.転写因子BACH1の過剰発現が引き起こす、血小板産生抑制のメカニズムを明らかにすること。2.BACH1過剰発現細胞を用いて、標的遺伝子を明らかにすること。3.ダウン症患者にみられるTAMとAMKLの発症における、BACH1の関わりについて検索することである。 【結果】 (1)Tgマウスの巨核球を透過型電子顕微鏡で観察したところ、デマルケイション膜およびα顆粒の形成が著しく抑制されていた。また、ミトコンドリアの空胞化、核におけるヘテロクロマチン領域の減少が観察された。 (2)巨核球系への造血前駆細胞の増殖能をみる目的でCFU-Megアッセイを行ったがコロニー形成に大きな差はみとめられなかった。(1),(2)の結果は巨核球系細胞の最終分化および成熟段階が障害を受けていることを示唆するものである。 (3)胎生13.5日の肝臓細胞をトロンボポエチン存在下で培養した、遺伝子の発現を解析した。その結果、β1-tubulin,Thromboxane A synthaseの発現が抑制されていることが示された。また、TXAS遺伝子の発現調節領域にBACH1が結合していることが染色体免疫沈降法にて確認された。BACH1がp45 NF-E2と拮抗的に作用することにより、巨核球の分化・成熟を抑制している可能性を示唆している。 (4)白血病細胞株におけるBACH1の機能を明らかにするために遺伝子を導入して過剰発現株の作製に成功した。
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