2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧に随伴する肺血管リモデリング修飾機構の解明に関する研究
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15591090
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
土井 庄三郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (80262195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇本 博子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60345296)
東 洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (20134736)
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Keywords | 肺高血圧 / 肺血管リモデリング / eNOS / arginase / 内因性NO合成酵素阻害物質 / ODC / DDAH |
Research Abstract |
内皮細胞のeNOS活性はMCT群で有意に低下し(409.0±21.5vs.597.0±62.2 citrulline pmol/mg protein, n=4,p<0.05)、Arginase活性はMCT群で有意に上昇し(889.0±59.1vs.416.0±49.9urea/mgprotein, n=4,p<0.01)、かつ上昇したArginase活性は、L-arginineからNO生合成過程の中間代謝産物であるN^G-hydroxy-L-arginine(NOHA)20μmolにより、CTR群と同等活性にまで回復した(243.0±18.0 urea/mg protein, n=4,p<0.01)。内皮細胞のDimethylarginine dimetbylaminohydrolase(DDAH、内因性NOS阻害物質の代謝酵素)活性はMCT群で有意に低下し(5257.8±487.4vs.8948.0±223.4fmol/mg protein, n=4,p<0.005)、内皮細胞のornithine decarboxylase(ODC、arginaseによりL-arginineから産生されたL-ornithineを、強力な肺動脈中膜平滑筋増殖に関わるmitogenであるputrescineに変換する酵素)活性はMCT群で有意に上昇していた(324.2±15.3vs.68.8±8.4μmol/mg protein, n=4,p<0.005)。 この結果MCT群肺高血圧モデルにおける肺血管内皮細胞中の、NOの基質であるL-arginineの低下はArginase活性上昇によることが判明し、eNOS発現の増減にかかわらず(過去の報告ではcontroversial)eNOS活性低下は明らかとなった。肺高血圧モデルでは、DDAH活性低下のため内因性NO合成酵素阻害物質の増加(われわれの過去の報告)と相まって、NO産生低下とL-arginine基質の低下が悪循環的に繰り返され、一方arginase pathwayの促進により、肺血管の過剰収縮とリモデリングが進行し、肺高血圧に至る過程が明らかとなった。
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Research Products
(1 results)