2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫担当細胞の機能と腫瘍化を制御する分子-Ku70/80-に関する研究
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15591092
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森尾 友宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30239628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯岸 克行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10343154)
寺岡 弘文 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30019137)
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Keywords | Ku70 / Ku80 / アポトーシス / 免疫グロブリンクラススイッチ / TCF1 |
Research Abstract |
今年度はKu70/80を操作することによる細胞機能の変化に焦点を当てて検討を加えた。 1.TCF1と会合するKu70/80領域の決定: Ku80のC末端部では主に、449-600aa,556-658aa,643-732aaも3つの領域で会合していることが判明した。その他Ku80のN末端、Ku70のN末端ともゆるい結合が認められた。 2.TCF1/β-catenin依存性転写活性におけるKu70/80の役割の検討: Ku70siRNA, Ku80siRNAで293細胞におけるKuの発現をknockdownし、reporter gene assayでTCF1/β-catenin依存性転写活性を検討したところ、活性は50%以下に抑制された。また、Ku80 449-732 dominant negative constuctの導入によっても転写は抑制された。 3.TCF1/β-catenin依存性転写活性の調節: TCF1/β-cateninにより生理的に調節されるc-myc, cyclin D1,Axin2,MMP7,DKK1の発現をRT-PCRにて実際に測定した。Ku70/80の発現をsiRNAで抑えると、c-myc, cyclin D1,Axin2の発現が抑制されたが、MMP7,DKK1の発現には変化を認めなかった。実際にβ-cateninをLiCl2,ΔN125-β-catenin導入などでONの状態にすると、用いた細胞ではc-myc, cyclin D1,Axin2の発現が上昇し、MMP7,DKK1の発現に変化はなかった。 4.Ku70/80の転写調節における役割: 上記実験より、Ku70/80は間接的に他の転写因子活性を調節する可能性が示唆された。現在、Ku70/80の存在によりTCF1-β-cateninの会合が安定化するかどうかなどを検討している。 以上の実験からTCF1はKu70/80との会合がそのβ-cateninを介した転写活性に重要であることがあきらかになった。Ku70/80の発現を抑えることにより、β-cateninを介したtransformationを抑止できる可能性を示唆している。
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Research Products
(4 results)