2003 Fiscal Year Annual Research Report
スプライシング調節を応用した脊髄性筋萎縮症の治療法の開発
Project/Area Number |
15591106
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西尾 久英 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80189258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 明鎭 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20273766)
竹島 泰弘 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40281141)
松尾 雅文 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10157266)
綾木 仁 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80222701)
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Keywords | 脊髄性筋萎縮症 / SMN1遺伝子 / SMN2遺伝子 / hnRNP C1 / C2 / in vitroスプライシング |
Research Abstract |
脊髄性筋萎縮症(SMA)の責任遺伝子は染色体5q13領域に存在するSMN1遺伝子である。SMN2遺伝子はSMN1遺伝子とほとんど同一配列を有する相同遺伝子であるが、その主たる産物はエクソン7のないmRNAであるため、十分な機能を持たない。エクソン7がmRNAに取り込まれるか否かを決定する機構を解明することは、SMAの治療法の開発につながる。研究者らは、SMN1(もしくはSMN2)mRNA前駆体エクソン7の配列に特異的に結合するスプライシング関連蛋白を単離するために、SMN1(もしくはSMN2)エクソン7の塩基配列を有する各種蛍光RNAプローブとHeLa細胞核蛋白を結合させてゲルシフト解析を行った。この実験によって、SMN1mRNA前駆体に強く結合する蛋白と、その結合に必要なシス因子が同定できた。次いでSMN1型RNAプローブ特異的に結合した蛋白を分取し、質量分析法で分子種を同定したところ、hnRNP C1/C2蛋白であることが判明した。さらに、エクソン6、イントロン6、SMN1(もしくはSMN2)エクソン7の配列を有するミニ遺伝子を作成し、HeLa細胞核抽出液を用いるin vitroスプライシング・アッセイ系を確立した。RNAプローブに結合した蛋白がスプライシングに関与しているか否かを確認するために、シス因子の配列を持つRNAプローブを添加してアッセイを行ったところ、SMN1型ミニ遺伝子のみならず、SMN2型ミニ遺伝子のスプライシング効率も低下した。このことは、シス因子に結合する核蛋白のうち、hnRNP C1/C2以外のものもスプライシングに関与していることを示している。以上、SMN1mRNA前駆体に特異的に結合する核蛋白質を同定し、その結合に関与するシス因子がスプライシングに関与していることを示した.
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Research Products
(1 results)