2005 Fiscal Year Annual Research Report
小児期非アルコール性脂肪性肝災の研究:その成因と肝病変の進展に関与する因子の解明
Project/Area Number |
15591108
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Research Institution | National University Corporation Tottori University |
Principal Investigator |
長田 郁夫 鳥取大学, 医学部, 助教授 (50252846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 潤 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (90362889)
飯塚 俊之 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (70271046)
神崎 晋 鳥取大学, 医学部, 教授 (90224873)
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Keywords | NASH / 脂肪沈着 / 進行性肝病変 / central pattern / diffuse pattern |
Research Abstract |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、肝の脂肪変性に炎症細胞浸潤、線維化を伴う疾患で、脂肪肝の存在の基に、他の要因が関与することにより発症すると考えられている。今までは成人に発症するものとされ、発症の危険因子は女性、肥満、糖尿病などが考えられている。小児NASHの症例8例の臨床的特徴,組織学的特徴、炎症性サイトカイン、エンドトキシンとともにレプチン値を検討した。 対象例は8〜13歳(男児7例、女児1例)で、組織学的にNASHと診断した症例である。なお、女児の1例はAlstrom症候群と診断した症例である。各症例のBMI(body mass index),体脂肪率、血清ALTを経時的に測定し、経過中に経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を施行した。対象例はいずれも中等度以上の肥満、黒色表皮腫を呈し、肥満度、体脂肪率が減少した3例で肝機能が正常化した。OGTTは正常型3例、境界型3例、糖尿病型1例で、IRI基礎値は全例高値を呈した。ALT値は50IU/L前後が持続する症例から200-400IU/Lの周期的変動を認める症例などさまざまであったが、経過は肥満度、体脂肪率、血清フェリチン値がよく相関した。Alstrom症候群症例は肥満症ではないものの、ALT高値、高インスリン血症を呈した。TNF-αは測定できた5例でいずれも<5ng/ml、IL-6は1例で8.2ng/mlと上昇していたが、7例で<4ng/mlで、IL-10は4例で<2ng/ml、1例で16ng/mlと上昇していた。エンドトキシンは4例で5ng/mlであったが、1例(Alstrome症候群例)で19.9ng/mlと著明高値を示した。血清レプチン値は測定できた6例のうち1例は5.6ng/mlであったが、5例は14.2〜18.3ng/mlと高値であった。組織学的所見では、肝細胞の中等度〜高度の脂肪変性、門脈域の炎症細胞浸潤と軽度〜中等度の線維化を認めた。2例において抗酸化作用を有するウルソデオキシコール酸やビタミンE投与によりトランスアミナー低下傾向が認められた。 小児期のNASH例では背景因子として、高インスリン血症が関与すると考えられる。一部に炎症性サイトカインやエンドトキシン上昇例が認められる。肝機能の改善には体脂肪率、肥満度の減少が有用な指標になる。抗酸化効果を有する薬剤が有効である可能性がある。
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Research Products
(4 results)