2004 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯血幹細胞の血管内皮細胞刺激による体外増幅を用いた造血幹細胞移植療法の開発
Project/Area Number |
15591115
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
藤田 一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (60228989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 榮一 佐賀大学, 医学部, 助教授 (20176126)
中畑 龍俊 京都大学, 医学研究科, 教授 (20110744)
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Keywords | 臍帯血管内皮細胞 / 造血幹細胞 / 増殖・分化 / 間質細胞 / 共培養系 |
Research Abstract |
我々はこの2年間の研究で臍帯血管内皮細胞と臍帯血造血幹細胞の共細胞の有用性について検討してきて以下のような結果を得た。 1.臍帯血管内皮細胞は、メンブレンフィルターの下面を反転してその上に播種して培養を行った。メンブレンフィルター上で内皮細胞は容易に接着し、従来から用いてきた内皮細胞用の培養液の使用により増殖を確認した。分離・播種した細胞は3-4日でコンフルエントとなり、増殖が停止した。増殖停止後約2日間内皮細胞はメンブレン上に付着して留まっていたが、その後は容易に膜様に剥離した。 2.造血幹細胞の分離増殖は従来の報告の手法を用いて、まず通常の35mmプラスティックディシュ及びメンブレンフィルター上で行った。その結果、rhSCF, rhIL-3,rhGM-CSFが添加されたメチルセルロース培養液内で順調に増殖分化し、約1週間後よりコロニーの形成・細胞の増加を確認した。 3.従来の報告を参考にしてメンブレンフィルターの上面と下面を用いた内皮細胞と造血幹細胞の共培養を行った。造血幹細胞はこの系においても通常の培養と同様の分化・増殖を示した。この結果より血管内皮細胞と造血幹細胞の共培養は、Hottaらが報告している間質細胞と造血幹細胞の共培養と同等の有効性があると考えられた。しかし、Hottaが使用していたマウス間質細胞比べて臍帯血管内皮細胞はコンフルエントとなった後の接着性が弱く、フィルター下面へ接着した状態の維持が困難であることが問題点といえる。 4.以上よりこの共培養系は造血幹細胞にとってより生体内環境に近いが、内皮細胞の機能を維持して長期にメンブレンフィルターの下面に留めてメンブレンフィルターを介して造血幹細胞と接触を長期に維持できる方法の確立が今後の検討課題である。
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Research Products
(6 results)